アメリカで人気のスポーツと言えば何だろうか?野球やバスケットボールも人気だが、ここ南部ではやはりアメリカンフットボールが最も人気だと思う。そして、南部の人々が、アメリカンフットボールのプロリーグ、NFLに負けず劣らず熱狂するのが、大学生達のフットボール、カレッジフットボールだ。
今回、同校の卒業生の知人に誘われて、南部の強豪校の一つTexas A&M University (テキサス農工大学)の今シーズン初ホームゲームを訪れた。Texas A&Mはアメリカ全土でも3番目に大きい大学で、アメリカ南部各地に卒業生が多い。同校の卒業生は自分達のことをAggie(「アギー」と発音する)と呼び、母校、特に母校のフットボールチームの熱狂的なファンであることで有名である。そんな大学が今年、フットボールスタジアムであるKyle Field Stadiumを大改築したものだから、新しいスタジアムのお披露目ともなるホームゲームはお祭り騒ぎとなった。
新しいスタジアムは何と10万人を収容でき、多くの在校生や卒業生、その知人達を迎え入れるため、当日は広いキャンパスの敷地内の大部分が駐車場となった。僕は試合の直前に到着したため、駐車場からスタジアムまでシャトルバスを利用しなければならない程だった。スタジアムの中も外も、Texas A&Mのカラーであるエンジ色のTシャツを身にまとい、すっかり興奮した人達で溢れている。
今回は知人の招待で、特別席であるスイートで観戦したのだが、スイートの中は周りの喧騒が嘘の様に、クーラーが効いた部屋で快適に観戦でき、各部屋に料理や飲み物を給仕するウェイターまでついている。ちなみに、スイートは大学への寄付の金額に応じて部屋のランクが分かれていて、最上級のスイートは最低2百万ドル(日本円で約2億5千万円)以上寄付しないと、確保できないそうだ。
試合が始まると、スタジアムの興奮は最高潮に達する。全米でも数少ない上級軍事大学でもある大学の伝統として、在校生は試合中、常に立って応援しなければならない。その中でも、士官候補生の在校生達は一番前の特等席を割り当てられている。ハーフタイムにはそんな士官候補生の一部が一年中練習しているというマーチを披露してくれるのも、試合に負けず劣らず見物である。また、Texas A&Mがタッチダウンを決める度に、全米で唯一という本物の大砲の砲撃があるのも、校風を良く表している。
試合自体は格下の大学が相手ということもあり、Texas A&Mの圧勝で終わった。しかし、今シーズンはまだ、同じく南部の強豪校であるMississippi州立大学や、Alabama州立大学との試合が、このKyle Field Stadiumで控えている。スイートに招待してくれた知人からは、また近いうちに招待するとの嬉しい申し出があった。今後もTexas A&Mのフットボールチームから目が離せなさそうだ。
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