テキサスの豪華すぎるガソリンスタンド Buc-ee’s(バッキーズ)

テキサス州には、テキサスに住む人々なら誰でも知っていて、ほとんどの人々が大好きなガソリンスタンドがある。Buc-ee’s(バッキーズと発音する)という名前のそのガソリンスタンドは、ガソリンスタンドと表現するには余りに豪華で、日本人がイメージするガソリンスタンドの概念を遥かに超えている。今回は、テキサスの豪華すぎるガソリンスタンド、Buc-ee’sの魅力に迫ってみよう。

テキサス州では一歩大都市を離れると、何時間も何もない荒野の一本道を走り続けるということがしばしばだ。そんな退屈なドライブにおいて、道路脇にBuc-ee’sの看板が見えてくると、例えそれがまだ何十マイル先であってもワクワクしてくる。そして、遂にBuc-ee’sに到着したことを示す、マスコットキャラクターのビーバーの看板が見えてくると、まるで自分の家に帰ってきた様な安心感に包まれるのである。IMG_1514

Buc-ee’sは、ヒューストンの東の郊外に位置する町Lake Jacksonで、1982年にオープンした。創業当初からオーナーがこだわりを持っていたのは、トイレを徹底的にキレイに保つことだった。アメリカ南部の高速道路上のガソリンスタンドでは、汚く放置されたトイレに遭遇し、ドライブの疲労感が増してしまうこともしばしばだ。しかしBuc-ee’sのトイレは、まるでホテルのトイレかの様に、常にキレイで清潔に保たれている。私はこれは非常に有効な集客戦略だと考えており、その証拠に私自身も、長距離運転中にガソリンが少なくなってきたと感じても、後数十分以内にBuc-ee’sがあるのであれば、清潔なトイレにひかれて、ついBuc-ee’sまで我慢してしまう。IMG_1515

そして、Buc-ee’sのもう一つの特徴はその巨大さだ。通常のガソリンスタンドにはせいぜい10台程度の給油機が設置されているのが普通だが、Buc-ee’sには少ないところでも80台、多いところでは120台もの給油機が並んでいる。これも、どんなに人気でも、Buc-ee’sではガソリンを入れるのに給油機の順番待ちをする必要がない、という安心感を与えてくれる。

Buc-ee’sの魅力はまだ終わらない。店内も通常のガソリンスタンドのコンビニ部分の数倍の大きさで、どこにでもあるお菓子やドリンク、日常品はもちろんのこと、独自ブランドのビーフジャーキーや、テキサスのお土産コーナーまで備えている。更に、食べ物も充実していて、店内の大きなスペースを使ってカウンターを設置し、サンドイッチやタコス、バーベキュー、コラチェなど、テキサスの人々が大好きなメニューをアツアツで提供してくれる。IMG_1516IMG_1518

ちなみに、おまけでもう一つの魅力を挙げると、Buc-ee’sのマスコットキャラクターであるビーバーについても、Tシャツや、ドリンクホルダー、ぬいぐるみや帽子など色々なグッズが販売されている。こうしたグッズは、普段の生活で身に着けていると、それだけで出会ったアメリカ人が笑顔になってくれるという優れものだ。IMG_1520

テキサス州をドライブすることがあれば、ぜひ道路脇のBuc-ee’sの看板を探し、到着するまで我慢してほしい。きっとそれだけの価値はあるはずだから。

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日本未進出のテキサス州のこだわりハンバーガー②Becks Prime

テキサス州のこだわりハンバーガーFuddruckersを紹介した記事に続いて、今回もハンバーガーに並々ならぬこだわりを持った人々が住むテキサス州で人気の、日本未進出のこだわりハンバーガーを取り上げていきたい。

今回取り上げるのは、1984年にヒューストンで創業したハンバーガーチェーンBecks Prime(ベックス・プライム)だ。ダラスにも2店舗を有するが、メインはヒューストンでヒューストン大都市圏に11店舗を数える。

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このお店は”Fresh”であることを重視しており、注文を受けてから調理するのはもちろんのこと、一切の食材を冷凍せず、牛肉のパッティーもお店で作っている。また、加熱についても、高温で燃えるためにバーベキューの燃料に適していると言われるメスキートの木炭を創業以来、一貫して使用している。

そうしたこだわりのもとに作られるハンバーガーももちろん美味しいのだが、今回の記事ではMesquite Grilled Sandwich(メスキート炭でグリルしたサンドイッチ)というこだわり溢れる呼び方でカテゴリー分けされたサンドイッチ、その中でも豪華なRib Eye Sandwich(リブロース肉牛肉のサンドイッチ)を紹介したい。というのは私は、初めてこのBecks Primeを訪れた際に知人にこのリブアイサンドイッチをお勧めされて食べて以来、このサンドイッチのファンなのだ。

日本で言うサーロインと肩ロースの中間に位置する牛肉の部位であるリブアイは、適度に脂肪分が入り、テキサスの人々が誇りとするステーキハウスにおいても、最も人気な部位の一つだ。そんなリブアイをグリルしたものをそのままサンドイッチに挟んでしまおうというのだから、何とも贅沢である。では実物を見てみよう。IMG_1536

上の写真からお分かり頂けただろうか。適度に焼き目が付き油の乗ったリブアイが、バンズからあふれ出さんばかりにその存在を誇示している。レシピはとてもシンプルでリブアイ以外の食材はレタスのみで、ケチャップとマヨネーズをつけて食べる。初めて食べる前はリブアイステーキをハンバーガーにして食べるのは何だかもったいない気もしたのだが、一度食べるとパンとリブアイの食感のコンビネーションが病みつきになる。

なお、Becks Primeは各店舗にオープンテラスの客席があるのも特徴で、明かりの下のステーキハウスと比べて、青空の下、開放感に満ちた気分でリブアイステーキを食べられるのも更に嬉しい。IMG_1540

とここまで読んで、ハンバーガーについての記事かと思ったのに、何でサンドイッチ?と思った読者の方もおられるかもしれない。アメリカではハンバーグ以外の肉をバンズで挟んでいるものはxxサンドイッチと表現されることが多い。しかし、アメリカ人の感覚としては、ハンバーガーとこうしたサンドイッチは同じカテゴリーに分類されているし、アメリカ発の日本の某大手ハンバーガーチェーンでも、魚や鶏肉を挟んでいるメニューもハンバーガー扱いになっていることも考慮して、どうかご容赦頂きたい。

牛が身近に存在し、ステーキが大好きなテキサスらしいハンバーガー。ヒューストンを訪れる際にはぜひご賞味頂きたい。

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年に一度のカウボーイ・カウガール達の祭典 ヒューストンロデオ

今年もヒューストンにロデオの季節がやってきた。年に一度、アメリカ南部・中西部各地から、馬や牛の扱いに自信のあるカウボーイ・カウガール達がヒューストンに集い、様々な競技で、日頃の修行の成果を競い合うイベントである。個人的には、最もテキサスらしいと思うイベントの一つだ。

ヒューストンロデオは、3月1日-20日の20日間に渡って行われ、この季節になると、普段はアメリカンフットボールの地元チームであるヒューストンテキサンズの本拠地、NRGスタジアムが、馬と牛と熱気に満ちたロデオ会場に早変わりする。IMG_1473

夜になると、NRGスタジアムの周りには、この日のために着飾った人達が集まってくる。着飾ると言ってもスーツやドレスではなく、カウボーイ・カウガール達に合わせて、上半身は柄シャツ、下半身はジーンズとカウボーイブーツ、そして、頭にはカウボーイハットといういで立ちだ。また、会場の周りでは、各地から集まったバーベキューの店舗が味を競うという、もう一つの戦いも行われている。

スタジアムの内部は、アメフトの時と同様、一階席から四階席まで客席が分かれているが、私の経験上、競技に接近できる一階席以外は、詳しい競技の様子が肉眼では見えず、スタジアム中央のスクリーンを通して見ることになるので、余り座席にはこだわらなくてもよいと思う。IMG_1476

いざロデオが始まって驚くのは、種目の多さだ。合間のショーも含めると、10以上の種目があり、それぞれロデオの期間中に、予選から決勝までが進行し、その年のチャンピオンも決まる。

まず日本の方々にも馴染みが深い種目としては、Bull Ridingという暴れ牛にどれだけ乗っていられるかという種目がある。8秒乗れば合格となり、それまでの乗り方と牛の暴れっぷりが評価されるが、素人には点数がどう付けられているのかがなかなかわかりにくい。ただ競技は迫力十分で、下の写真は、ズームが荒くて見にくいが、カウボーイが途中で牛に振り落とされるシーンだ。ただ8秒乗ると言っても、その難しさが伝わるだろうか。IMG_1492IMG_1493

難しさという意味では、素人目に最も難しく見えるのは、Steer Wrestlingという種目。その内容は、走っている馬の上から逃げる牛にジャンプして飛びつき、その牛の首をひねって地面に倒すまでの時間を競うというものだ。恐らく西部開拓時代の実際の作業からヒントを得て考案されたのだろうが、動く動物から動く動物に飛びつくというのはそれだけでも至難の業だ。そして、毎回牛の首をひねって倒すというのは、牛にはダメージはない様だが、どこかの動物愛護団体から抗議がこないか無用な心配をしてしまう。下の写真は、中央の青いシャツの男性が、牛の首に見事飛びついた瞬間だ。IMG_1488

一方、美しさを感じる競技といえば、Barrel Racing。基本的には女性、カウガール達の競技で、会場内に三角形に配置された樽の間を馬で走り抜けるタイムを競うというものだ。カウガール達のたづなさばきで、馬達が樽の周りを最小限のスペースでターンし、最後ゴールに全速力で走り抜ける様は、見ていて美しさすら感じるし、会場も盛り上がる。IMG_1490 (1)

そして、ロデオの全ての種目が終わり、会場の興奮が最高潮に達した時、会場の中央から花火が上がり、第二部であるコンサートに移る。ロデオのコンサートは、一部の大物ポップアーティストを除いて、多くがカントリーミュージックのアーティスト達で、日本の方々にはほとんど馴染みがないだろうが、アメリカ南部では熱狂的な人気を誇るアーティストも多い。私達が訪れた日も会場は大興奮に包まれていた。IMG_1509

何がロデオの魅力かと言えば、カウボーイ・カウガール達の熟練された技術ももちろんながら、会場の周りのテキサスバーベキューの味、普段はテキサスの田舎の牧場で牛や馬の世話をしているであろうカウボーイ・カウガール達の雄姿、テキサスの人々が熱狂するカントリーミュージックの心地よい響きと、自分達がテキサスにいるのだということを全身で感じさせてくれることだ。ロデオ期間中にテキサスを訪れる方はぜひともこのヒューストンロデオを訪れていただきたい。

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