2015年10月 イエロー・ストーン国立公園旅行記 その1

アメリカ南部をテーマとした本ブログの趣旨とは異なるが、2015年10月上旬に訪問したワイオミング州のイエロー・ストーン国立公園への旅行記を書いてみたい。というのは、シーズンオフ直前の10月の旅行記というのはウェブ上でもほとんどなく、これからこのエリアを訪問する方々の旅の計画に、多少なりともお役に立てるのではないかと思うからだ。なお、下記はあくまでも天候が良かった場合における一例に留まり、10月の旅行がうまく行くことを保障するものではないことをご留意頂きたい。

8月頃に、10月上旬の三連休(アメリカは10月12日月曜日がコロンブス・デイという祝日)にイエロー・ストーン旅行を計画してから、この旅行を決行しようか多いに迷った。ガイドブックではベストシーズンは6-8月となっており、ウェブ上にも10月の旅行記はほとんどなく、僕達は個人旅行ではあるものの、日本の大手旅行会社のツアーは9月で終わっている。しかも、9月の時点で現地の天候が雪の日が何度か出始めた。しかし、諸事情もあり、今回を逃すと、来シーズンに行けるかはわからなかったので、一か八かにかけてみることにした。

今回の旅の出発地点はワイオミング州の小さな空港、ジャクソン・ホール。アメリカで唯一、グランド・ティートン国立公園という国立公園内にある空港で、イエロー・ストーン国立公園の南の玄関であるサウス・エントランスまでは、車で1時間半程度の距離にある。飛行機を降りると、すぐ後ろにティートン山脈の最高峰、グランド・ティートン(標高4,197m)の威容が拝めるすごい空港だ。

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アメリカ南部暮らしに慣れた僕も、雪道の運転には全く慣れていないので、慎重を期してレンタカーは4WDのSUVを事前に注文した。実際に支給されたのがこのシボレーのTraverse。燃費は非常に悪いが、今回の旅を通じて、そのパワーと耐久性が常に安心感を与えてくれた。

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空港を出たらティートン山脈を横に眺めながら、牧草地帯を一路北に向かう。心配していた積雪も全くなく、交通量も激しくないので、運転はすこぶる快適だ。しかし、そんな旅路はすぐに思ってもみなかったものに遮られることになる。何と、バッファローの群れが道路を塞いでいるのだ。

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バッファローは車に対して無頓着で、何ともマイペースに道路を横切っている。しかし、そこはワイオミング。地元の人々も観光客と思わしき人々も車を止め、皆笑顔でバッファローの歩みを見守っている。なお、バッファローは最大で時速40マイル(約65キロ)で走るらしく、想像より体も大きいので、写真を撮りたいからといって車の外には出ない方がいいと思う。また、こうして運転中に動物に出くわすことは良くあるので、それを見越して余裕を持ったスケジュールを立てることをお勧めしたい。

途中グランド・ティートン国立公園を過ぎ、1時間半ほどでイエロー・ストーン国立公園のサウス・エントランスに到着。イエロー・ストーンは雰囲気の違う5つの地域(カントリー)に分かれているが、とにかく広いのでレンタカーは必須だし、レンタカーがあっても到底一日では回りきれない。僕たちは一日目はイエロー・ストーンのシンボルとも言えるGeyser Country(ガイザー・カントリー)に向かった。

南から進むと、ガイザー・カントリーの中心地であるOld Faithful(オールド・フェイスフル)に最初に着くことになり、ここにはビジター・センターやレストラン、ギフト・ショップ等が並んでいる。シーズンオフとは言っても、いくつかあるロッジは何ヶ月も前から全て満室だった。なお、10月上旬ともなると、レストランは営業していても、ギフト・ショップに併設のカフェは閉まっていたりと、全ての施設が開いているわけではないので、注意して頂きたい。

オールド・フェイスフルの中心には、Old Faithful Geyser(オールド・フェイスフル・ガイザー)がある。ガイザーとは日本で言う間欠泉のことで、通常はその名前の通り、不定期で温水が噴出するのだが、このオールド・フェイスフル・ガイザーはまさに忠実(Faithful)に、ほとんど一定の間隔に噴出する。噴出の高さも予想以上のもので一見の価値ありだ。次回の噴出予定時刻は、ビジター・センター等に記載されており、噴出が近くなると、観光客がガイザーの周りに大量に集まってくる。

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このオールド・フェイスフルおよびその周辺には、大きさや噴出の量、頻度、色など、バラエティー豊かな間欠泉があり、ぜひレンタカーで回ってみることをお勧めしたい。そもそもイエロー・ストーンの国立公園の中心部が現在も活発に活動している活火山なのだが、このエリアでは特に、間欠泉が多いこともあり、その蒸気の影響か、10月上旬でも半袖シャツ一枚で十分な程に暖かい。

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間欠泉巡りだけですっかり日も暮れてしまったので、イエロー・ストーンのサウス・エントランスから、一時間ほど南東に向かったところにあるMoranという街のHatchet Resort というモーテルに泊まる。ここはモーテルとは言っても、木造でロッジ風の作りになっており、周りも一面の牧草地なので、十分に自然の中での宿泊という気分を楽しめる。国立公園内のロッジが予約できなかった方にお勧めだ。また、モーテルにはレストランが併設されており、ステーキやパスタなど「とても美味しい!」という程ではないが、土地柄を考えれば十分の味で、夜はカップラーメンを覚悟していた僕達には有難かった。レストランでは、地元のマイクロ・ブリュワリーで醸造したビールも飲め、ワイオミングらしい芳醇なフレーバーが印象深かった。

IMG_0423 IMG_0382随分長くなってしまったが、10月上旬のイエロー・ストーンの魅力を伝えられる様、次回も続けたいと思うので、お付き合い頂けたら大変有難い。

その2はこちら

 

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投稿者:

Alamo

著者:Alamo アメリカ南部テキサス州に4年間在住。アメリカ南部の魅力を色々な視点から紹介できればと思っています!

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