アメリカを離れると恋しくなるものの一つがステーキだ。日本のステーキレストランで食べられるステーキは何かが物足りない。しかし、東京でルース・クリス・ステーキハウスのリブアイステーキを一口食べた瞬間、あふれる肉の旨味にこれぞアメリカのステーキと感じた。このブログでは過去にアメリカ南部のステーキの魅力を紹介してきたが、今回はそんなアメリカ南部のステーキを東京で食べられるレストランを紹介したい。
日本の行政の中心である中央官庁が位置する霞が関、その一角にルース・クリス・ステーキハウスはある。
ルース・クリス・ステーキハウスはアメリカ南部で、二人の10代の子供を抱えたシングルマザーによって創業された。1965年のルイジアナ州ニューオーリンズ、Ruth Fertelは自分の家を抵当に入れて資金を作り、クリス・ステーキハウスという地元のレストランを購入した。彼女はそれまでの人生でレストランの経験が無かったにも関わらず、懸命な努力によってステーキを作り続け、次第に彼女のステーキハウスは地元の人々から愛される様になる。そして1976年、元のレストランが火事に見舞われたルースは新しく移転したレストランに自分の名前を冠し、ルース・クリス・ステーキハウスと名付けた。その後フランチャイズを続けたルース・クリス・ステーキハウスはアメリカ内外に100店舗以上を構えるに至る。
霞が関にあるルース・クリス・ステーキハウスもそんなルースの精神を引き継いでいるレストランだ。店に入ると、アメリカらしいインテリアで統一された内装が目に入る。
私達はまず、ルースの名前が付けられた、ルースのチョップサラダを注文する。野菜に和えられたクルトンやバジルドレッシング、上に添えられたオニオンクリスプがアメリカらしい。
そして、メインのステーキ。筆者はアメリカのステーキと言えば豪快な味が魅力のリブアイ(牛の背中肉で肩ロースとサーロインの中間に位置する部分)が一番だと思っている。これがテキサスであれば30オンスを超えるカウボーイ・ステーキを注文するところだが、ここは日本でもあり、通常の12オンスのステーキを注文する。
12オンスと言っても、プレートを飛び出すばかりのステーキで、ナイフで大き目にカットすれば、肉の旨味を口いっぱいに味わうことができる。約980度のブロイラーで焼き上げられたステーキは、約260度に熱せられたプレートに乗せられてサーブされるため、最後までアツアツのステーキを楽しむことができる。たっぷり添えられたバターやブラックペッパーが味に広がりを加えるため、最後まで飽きることもない。アスパラガスやマッシュルームなどのサイドが頼めるのも嬉しい。
アメリカでも高級店ではあるものの、日本の方が高めの価格設定ではある。しかし、東京の一夜で豪快なアメリカ南部のステーキの味を味わえることを思えば、満足度は非常に高いレストランだ。
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