ニューオーリンズの名物カフェ、カフェデュモンドを東京で発見

ルイジアナ州ニューオーリンズと言えば、フランス植民地時代の影響を色濃く残すアメリカ南部随一の観光地であり、その中心にあるフレンチクウォーターはいつでも世界中からの観光客で賑わっている。そして、そのフレンチクウォーターで100年以上前から、24時間、ほぼ年中無休で営業している名物カフェがCafe du Monde(カフェデュモンド)だ。これまでカフェデュモンドでの特別な一時は、ニューオーリンズを訪問した者だけに許される特権だと思っていたが、今回、偶然に東京にもカフェデュモンドがあることを発見した。

本家Cafe du Mondeのウェブサイトはこちら↓

Cafe due Monde in New Orleans

場所は東京でも有数の繁華街、池袋の駅前。池袋西口公園近くの喧騒から浮いた感じで、ニューオーリンズでお馴染みの緑と白の縞模様の看板が堂々と掲げられている。IMG_0241

まさかと思いメニューに近づいてみると、カフェデュモンドの看板メニューであるチコリ・コーヒーやカフェオレ、ベニエが書かれており、どうやら本物の様だ。それでは、ニューオーリンズ未体験の方にも、カフェデュモンドに興味を持って頂ける様、本場と日本との違いに触れながら、ここで紹介してみよう。

まずは店内の様子。ニューオーリンズのカフェデュモンドは24時間営業の観光客御用達の店だけあって、次々と入れ替わる客やひっきりなしに運ばれてくる料理でごちゃごちゃしており、テーブルや床の上も散らかっていることも多い。一方の日本のカフェデュモンド。さすが日本のカフェだけあって、店内は落ち着いた雰囲気で床にはごみ一つない。IMG_0246

次はドリンク。カフェデュモンドでは、コーヒーに、チコリと呼ばれるハーブの根を挽いたものがブレンドされたチコリコーヒーが飲める。ニューオーリンズのバーボンストリートで深夜まで飲み過ぎた朝にこのチコリコーヒーを飲むと、お腹の調子が良くなるという優れものだが、日本のカフェデュモンドでも、コーヒーは全てチコリコーヒーで、店頭で販売もされている。IMG_0242

このチコリコーヒーをカフェオレにして飲むのが、カフェデュモンド流であり、ニューオーリンズではアメリカンコーヒーが好きなアメリカ人には珍しく、ほとんどの人々がカフェオレを飲んでいるのだが、日本のカフェデュモンドでも、メニューの一番上にカフェオレが掲げられていた。IMG_0244

そして、カフェデュモンドの名物スイーツ、Beignet(フランス語でベニエと発音する)もバッチリ再現されている。ベニエは四角く切った生地を油でこんがり揚げたドーナツに似たスイーツで、その上に粉砂糖をかけて食べる。ニューオーリンズのお店だと、ベニエが見えなくなる位に粉砂糖がこれでもかとかかっており、正直もう少し砂糖が少ない方が美味しいのではないかと思ったものだが、嬉しいことに日本では、日本人の好みに合わせて砂糖が控えめにかかっており、お好みで足せる様に砂糖の瓶もついてくる。IMG_0245

それでいて、もちっとした食感はニューオーリンズそのままであり、できたてのアツアツを持ってきてくれるのも嬉しい。

結論として、日本のカフェデュモンドで、チコリコーヒーのカフェオレとベニエを頼めば、日本にいながらに、まるでニューオーリンズのフレンチクウォーターにいるかの様なカフェタイムが頼めることが間違いなしだ。

それでは、そもそも何で日本に本物のカフェデュモンドがあるかについて、日本のカフェデュモンドのウェブサイトには明確な記載はないが、本国のCafe du Mondeのウェブサイトに答えがあった。

そこの記載によると、1984年にニューオーリンズで万国博覧会が開かれた際、カフェデュモンドを訪れた日本のビジネスマンが、日本でカフェデュモンドをオープンすることに興味を示したという。しかしその後、正しいパートナーを見つけるのに5年もの月日を要したが、1989年にダスキンがフランチャイズパートナーに名乗りを上げ、カフェデュモンドのオーナーであるフェルナンデス家としても、日本でのフランチャイズ経験が豊富なダスキンであれば自分達のやり方を再現してくれると感じ、フランチャイズに向けた準備が始まったという。

日本側のカフェデュモンドのウェブサイトによると、2016年6月現在、全国で12店舗が営業しているようだ(東京では池袋だけ)。ぜひお近くのカフェデュモンドで、非日常の街ニューオーリンズの特別な一時を味わって頂きたい。

日本のカフェデュモンドのウェブサイトはこちら↓

Cafe du Monde(カフェデュモンド)

【2017年1月2日追記】

残念ながら、池袋のカフェデュモンドは2016年10月に閉店してしまいました。アメリカ南部好きとして、東京都内への再出店を切に願います。

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投稿者:

Alamo

著者:Alamo アメリカ南部テキサス州に4年間在住。アメリカ南部の魅力を色々な視点から紹介できればと思っています!

「ニューオーリンズの名物カフェ、カフェデュモンドを東京で発見」への4件のフィードバック

  1. 毎日コーヒー飲んでてもおいしくなくて、そういえばニューオーリンズで飲んだあの美味しいコーヒーの名前は、なんだっけなと、今日急に名前を思い出した。「チコリ」
    画像を見て「あ、これこれ、こうやって入り口近くに同じようにオレンジ色の缶にchicoryって書いてあったのが並んでた、うわーなつかしい!」

    ニューオーリンズで育った主人と出産間近の私は、義理の父が住んでいるニューオーリンズへ妊娠した報告をするために遊びに行った。多分89年か90年頃の事。
    お腹がすぐ張っちゃってそれはそれは大変だった。

    私がコーヒー好きなのを知ってる主人はコーヒーショップに連れてってくれた。
    おいしくておいしくて何杯もおかわりした。
    妊娠しててこんなにいっぱいコーヒー飲んじゃって大丈夫かなと思いつつ、おかわりし続けた。
    主人に「このおいしいコーヒーの名前は?」って尋ねると「chicory」

    またあのおいしかったコーヒーを飲みたいな、
    主人とあの頃の思い出話を、大人になって頼りがいのある息子と一緒に。

    池袋にお店があるなら行きたかった。
    ちょうど私が仕事を見つけて仕事し始めた頃に閉店でしたか。
    とても残念です。もっと早く知ってたら、私がそこのお店で働いてchicoryコーヒーのおいしさをみんなに伝えたかった。

    1. マーサさん、こんな古い記事にコメント頂きありがとうございます。東京に他にもChichoryコーヒーファンがいたとは嬉しいです!
      改めて調べたら、カフェデュモンド自体が2018年に日本から完全撤退したみたいです。。。残念。
      いつかご家族でニューオーリンズに行けるといいですね。僕はまた、あの甘いベニエが食べたいなと思います。

  2. 岩手に住むたーちんです。92年の3月にニューオリンズに行きベニエを食べて感激しました。外で屋台だったと思います。コーヒー、チコリだったのかなぁ、でも美味かった。その後ハリケーンとか住宅ローンの問題やらとても心配な状況がありながら再訪できずあのベニエをもう一度、と思ってふとスマホ見たらこんな展開があったとは。。。池袋には行く機会があったのに残念です。ザリガニとオイスター、ストロベリーダイキリでべろんべろんになったり、プリザベーションホールでジャズに酔いしれたり。。。あの時のダイキリのグラスは土産でもらって今もありますがググってもお店は出てきませんでした(Papa Joe’sと書いてあります)。マルディグラの後だったので乱痴気騒ぎの雰囲気は感じられました。ディックのパスタ(不適切なら削除をお願いします)食べました(笑)。もう30年も前のお話です。すみません、勝手に盛り上がってしまいまして。

    1. たーちんさん、コメントありがとうございます!
      たーちんさんの文章から、ニューオーリンズの思い出がいかに楽しいものだったか伝わってきます。
      ニューオーリンズって、訪問したタイミングが異なっていても、「色々なものが渾然一体となった雑多な雰囲気の中で乱痴気騒ぎの一部になった」といった様な共通の思い出を共有できるのがいいですよね。Papa Joe’sは残念ながら現在は閉店している様です。一方、マルティグラはアメリカ南部の広い地域で祝われています。
      また日本でもニューオーリンズブームが来ると思うので、日本でお店を見つけたら、またブログを書きますね。

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