ルイジアナ州ニューオーリンズと言えば、フランス植民地時代の影響を色濃く残すアメリカ南部随一の観光地であり、その中心にあるフレンチクウォーターはいつでも世界中からの観光客で賑わっている。そして、そのフレンチクウォーターで100年以上前から、24時間、ほぼ年中無休で営業している名物カフェがCafe du Monde(カフェデュモンド)だ。これまでカフェデュモンドでの特別な一時は、ニューオーリンズを訪問した者だけに許される特権だと思っていたが、今回、偶然に東京にもカフェデュモンドがあることを発見した。
本家Cafe du Mondeのウェブサイトはこちら↓
場所は東京でも有数の繁華街、池袋の駅前。池袋西口公園近くの喧騒から浮いた感じで、ニューオーリンズでお馴染みの緑と白の縞模様の看板が堂々と掲げられている。
まさかと思いメニューに近づいてみると、カフェデュモンドの看板メニューであるチコリ・コーヒーやカフェオレ、ベニエが書かれており、どうやら本物の様だ。それでは、ニューオーリンズ未体験の方にも、カフェデュモンドに興味を持って頂ける様、本場と日本との違いに触れながら、ここで紹介してみよう。
まずは店内の様子。ニューオーリンズのカフェデュモンドは24時間営業の観光客御用達の店だけあって、次々と入れ替わる客やひっきりなしに運ばれてくる料理でごちゃごちゃしており、テーブルや床の上も散らかっていることも多い。一方の日本のカフェデュモンド。さすが日本のカフェだけあって、店内は落ち着いた雰囲気で床にはごみ一つない。
次はドリンク。カフェデュモンドでは、コーヒーに、チコリと呼ばれるハーブの根を挽いたものがブレンドされたチコリコーヒーが飲める。ニューオーリンズのバーボンストリートで深夜まで飲み過ぎた朝にこのチコリコーヒーを飲むと、お腹の調子が良くなるという優れものだが、日本のカフェデュモンドでも、コーヒーは全てチコリコーヒーで、店頭で販売もされている。
このチコリコーヒーをカフェオレにして飲むのが、カフェデュモンド流であり、ニューオーリンズではアメリカンコーヒーが好きなアメリカ人には珍しく、ほとんどの人々がカフェオレを飲んでいるのだが、日本のカフェデュモンドでも、メニューの一番上にカフェオレが掲げられていた。
そして、カフェデュモンドの名物スイーツ、Beignet(フランス語でベニエと発音する)もバッチリ再現されている。ベニエは四角く切った生地を油でこんがり揚げたドーナツに似たスイーツで、その上に粉砂糖をかけて食べる。ニューオーリンズのお店だと、ベニエが見えなくなる位に粉砂糖がこれでもかとかかっており、正直もう少し砂糖が少ない方が美味しいのではないかと思ったものだが、嬉しいことに日本では、日本人の好みに合わせて砂糖が控えめにかかっており、お好みで足せる様に砂糖の瓶もついてくる。
それでいて、もちっとした食感はニューオーリンズそのままであり、できたてのアツアツを持ってきてくれるのも嬉しい。
結論として、日本のカフェデュモンドで、チコリコーヒーのカフェオレとベニエを頼めば、日本にいながらに、まるでニューオーリンズのフレンチクウォーターにいるかの様なカフェタイムが頼めることが間違いなしだ。
それでは、そもそも何で日本に本物のカフェデュモンドがあるかについて、日本のカフェデュモンドのウェブサイトには明確な記載はないが、本国のCafe du Mondeのウェブサイトに答えがあった。
そこの記載によると、1984年にニューオーリンズで万国博覧会が開かれた際、カフェデュモンドを訪れた日本のビジネスマンが、日本でカフェデュモンドをオープンすることに興味を示したという。しかしその後、正しいパートナーを見つけるのに5年もの月日を要したが、1989年にダスキンがフランチャイズパートナーに名乗りを上げ、カフェデュモンドのオーナーであるフェルナンデス家としても、日本でのフランチャイズ経験が豊富なダスキンであれば自分達のやり方を再現してくれると感じ、フランチャイズに向けた準備が始まったという。
日本側のカフェデュモンドのウェブサイトによると、2016年6月現在、全国で12店舗が営業しているようだ(東京では池袋だけ)。ぜひお近くのカフェデュモンドで、非日常の街ニューオーリンズの特別な一時を味わって頂きたい。
日本のカフェデュモンドのウェブサイトはこちら↓
【2017年1月2日追記】
残念ながら、池袋のカフェデュモンドは2016年10月に閉店してしまいました。アメリカ南部好きとして、東京都内への再出店を切に願います。
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