オフロ文化は海を越える!? テキサス州の健康ランド

アメリカでの出張時にホテルに宿泊する際、しばしばがっかりさせられるのが浴室だ。シャワーのみのこともしばしばで、たまに浴槽があれば一瞬は嬉しくなる。しかし、そうした浴槽も体をゆったりと横たえるには狭すぎたり、お湯を張り終わる頃には水に変わっていて、ぬる過ぎて入れなかったりする。

そんな中、テキサス州の主要都市の一つダラスには、日本の健康ランドに近い、日本人にとってオアシスの様な場所がある。それがKing Spaだ。IMG_1269

館内にはまず、大きな浴室があり、温度の異なる数種類の風呂とジャグジーをゆったりと楽しむことができる。また、風呂の横には水蒸気のサウナも備え付けられ、アメリカ人達と一緒にじっと座って汗を流せる。テキサス州に来て以来、ここには何回か訪問しているが、最初はアジア系の客層が多かったのが、年々白人や黒人のアメリカ人の比率が増えている気がする。それでもまだ、下着を着たまま浴室に入ってきて、戸惑いながら下着を脱ぐアメリカ人がいたりして微笑ましい。また、ここではタトゥーもお咎めなしだ。

風呂から上がると、利用客は皆、支給されたTシャツとハーフパンツに着替えて、広いラウンジでゆっくり過ごす。IMG_1264

特筆すべきなのは、その施設の多さで、食堂や売店、仮眠室、インターネットスペース、果ては映画ルームまである。実はここは、日本の健康ランドではなく、韓国系アメリカ人によって経営される、韓国のチムジルバンという健康ランドの一種を輸入した施設だ。日本の健康ランドとの大きな違いとして、ここには遠赤外線サウナ、岩盤サウナ、岩塩サウナなど、日本よりも豊富な各種のサウナがあり、入浴後にも思い思いにリラックスした時間を過ごすことができるのだ。IMG_1268

変り種で言えば、どういった効果かはよくわからないが、黄金に彩られたピラミッドサウナなるものまである。IMG_1267

 

料金としては、24時間までは何時間でも滞在できる入場料金が45ドルとなっている。数年前と比べるとだいぶ値上がりしたが、ここの利用客の多くは施設内のラウンジや仮眠室で寝て一夜を明かすことを想定しており、普通のホテルと比べれば、まだ十分に安い。また、追加料金を払えば、韓国式のアカスリのサービスも受けられ、更にたまった汚れを落とすことができる。

私の住むヒューストンで言えば、韓国系人口は日系の10倍、中国系人口は韓国系のさらに10倍と言われるが、ダラスではさらに韓国系の人口が多いという。日本を遠く離れてアメリカに長く住み、ハンバーガーやステーキに疲れた時、ありがたいのはそうした韓国系や中国系住民が経営する施設だ。日本にいる時は隣国との違いを意識することもしばしばだが、アメリカではむしろ文化的な類似性を再認識する。ここKing Spaでも、日本で健康ランドやスーパー銭湯を利用するのと同じ様な感覚で、日頃の疲れを癒すことができる。

そうした東アジア共通のオフロ文化が、今後もアメリカに広がっていくことを期待したい。

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