以前このブログの記事伝説のテキサス・バーベキュー Salt Lick BBQでも、オースティン近郊の伝説的なバーベキューレストラン、Salt Lick(ソルト・リック)を取り上げたが、肉をグリルするのではなく、時間をかけてスモークするテキサス・バーベキューは、テキサスを代表する料理の一つで、日本で言えばラーメンの様に多くのテキサスの人々がこだわりを持っている。
一方、日本ではバーベキューと言えば専らグリルを意味し、テキサススタイルのバーベキューにはお目にかかったことが無かったのだが、今回横浜で遂に一件のテキサスバーベキューのレストランを発見した。
横浜の古い町並みが残る地区、馬車道で、大通りから外れた路地の一角に、馬車道 タップルームは控えめに佇んでいる。
店の入り口には、Texas Style BBQの文字とともに、見慣れたテキサス州旗が描かれた看板がある。しかもその下には、Beef BrisketやPork Ribなど、テキサスでは定番のバーベキューのメニューが並び、それだけでも感動してしまう。
店内に入ると、一階がキッチンとバー、二階がメインのテーブル席、三階はルーフバルコニーとビアガーデンになっており、私達は二階のテーブル席へ。アメリカンなインテリアが並ぶ中に、日本をイメージした絵がいくつか展示され、全体として落ち着いた雰囲気だ。また、フロアの端には、テキサスの地図やナンバープレートなども展示されていて、テキサスのレストランにいるかの様な気分にさせてくれる。
このタップルーム、静岡県の伊豆・修善寺にブルワリーを持つベアードビールというビールメーカーが経営しているレストランとのことで、バーベキューだけでなく、ビールの種類も豊富だ。しかも、ベアードビールの創業者であるブライアン・ベアード氏はテキサス出身だという。
ビールの種類は非常に豊富で、エールだけでも色々あり、日本では余り見かけないIPAがあるのも嬉しい。私達は昼間だったこともあり、3種類を少しずつ飲めるサンプラーを注文。テキサスでも、ShinerやSaint Arnold、Karbachなど、大小の地ビールのブルワリーがあるためか、バーではこういったサンプラーの注文ができることが多い。
そして、肝心のバーベキュー。残念ながら、テキサスでも一番人気の牛肉のブリスケット(肩ばら肉)は、ディナーのみのメニューということで、ポークリブ(骨付きあばら肉)とスモークチキンのプレート(1,200円)を注文。コールスローとポテトサラダが必ずついてくるのもテキサスらしい。
味についてはテキサスバーベキューのスモーキーな味わいは再現できていると思う。ただ、ソルト・リックの様なテキサスの有名店と比べると肉がパサパサしている(これはテキサスのバーベキュー店でもしばしば起こることだが)のと、サーブされた時点での肉の温度が若干ぬるいのが難点。但し、日本で唯一のテキサス製Smoke Master Ovenを備え、スモークには桜の木を使うなど日本でバーベキューを作るための試行錯誤も見られ、今後も継続的に通って応援していきたいと思っている。何より牛肉のブリスケットを食べないと十分な評価はできず、少なくともディナーに再訪したい。
恐らく、日本で唯一のテキサスバーベキューのレストラン。横浜を訪れた際にはぜひ足を運んで頂きたい。
馬車道タップルーム