ヒューストンが全米で最も都市計画がヒドイ都市に選出!?

アメリカの情報サイトThrillistに、2016年3月4日付でThe 9 Worst Designed Cities in the US(全米で都市計画がヒドイ都市ワースト9)という興味深い記事があり、そのランキングの中で我らがヒューストンが最も都市計画がヒドイ都市に選出されているのだ。他のアメリカ南部の都市もランキングに登場しており、アメリカ南部を理解するのに役立つと思うので、ここで紹介してみたい。

このランキングはThrillistが複数の都市プランナーに取材して、独自に作成したという。まず、ワースト9のランキングを並べると、

9位 モンタナ州ミズーラ

8位 ルイジアナ州ニューオーリンズ(アメリカ南部)

7位 フロリダ州オーランド(アメリカ南部)

6位 ワシントンDC

5位 カリフォルニア州ロサンゼルス

4位 ペンシルバニア州ピッツバーグ

3位 ジョージア州アトランタ(アメリカ南部)

2位 マサチューセッツ州ボストン

1位 テキサス州ヒューストン

さて次に、ヒューストンが何故この様な不名誉な称号を獲得したかを見てみると、同記事は、有名な土地区画法(Zoning Law)の欠如を挙げている。その結果として、「アダルトショップの横に高級デパートがあり、さらにその横に高層オフィスビルがある」といった風景が見られることを指摘している。

確かに、全く異なる建物が隣り合っている様子はヒューストンでよく見られる風景だ。何気なく撮った写真の中でも、歴史的な建物と高層ビルが隣り合っていたりする。IMG_1234

しかし、同記事も認めている通り、ヒューストンの人々は土地区画がない事実を好ましく思っている。この都市では過去、土地区画法が何度も住民投票にかけられては否決されてきたという。

アメリカ南部の都市は総じてその傾向があるが、ヒューストンに初めて来た時に感じたのは、一見したその無機質さだ。ダウンタウンのごく一部のエリアを除いて、歩いてお店を巡れる場所はほぼ皆無で、移動は全て車。結果として、お店は中央に大きな駐車場を備えた多くのモールに集まることになり、最初はどこのモールに行っても同じに見えた。

ところが住み始めてからしばらく建つと、高速道路の脇に、突然大きな教会が現れたり、高級レストランの横に当たり前の様にストリップ劇場が並んでいたりする様子に気づき、この都市が有する混沌、自由に変化を続ける活力に魅了されてくる。それは、元よりフロンティアの時代からテキサスの人々が持っていた自由を愛する土壌を下敷きに、20世紀後半の石油ブームで、世界中から多種多様な人々が移民してきた歴史と無縁ではないだろう。IMG_1580

ちなみに同記事では、そうした都市区画の欠如が、私有車での通勤時間の長期化や公共交通の貧弱さを生み、ひいては最近まで全米で最も肥満率の高い都市という、もう一つの不名誉な称号を保持していたことにつながっているとも指摘している。私見では、確かに公共交通の不足との関連はあると思うものの、肥満率の高さはステーキからコーラに至るまで”Everything is bigger in Texas”の精神で、何でも特大サイズを注文する気風の方が問題だと感じるのだが。。。IMG_1575

 

 

ヒューストンを訪れる際には、都市区画の無さが生み出す混沌という魅力にぜひ注目して頂きたい。

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