ビエンチャン近郊の穴場観光地-ラオス ナムグム湖 旅行記

今回はアメリカ南部に関する当ブログの番外編として、ラオスへの旅行記を書いてみたい。

ラオスは東南アジアで唯一海に面していない内陸国だ。そんな地理的特性からあなたはラオスは水との関わりが少ない場所だとイメージするかもしれない。しかし、決してそんなことはない。ラオスの人々は水と密接な関係を保ちながら生きている。ラオスの首都ビエンチャン近郊には、あまり日本では知られていないが、そんなラオスの人々の生き方が垣間見える観光スポットがある。

ビエンチャンから北へ約90km、車で約2時間、のどかな農村風景が広がる道を進んでいくと、突如として視界が開け、見渡す限りの視界一面に湖が広がる。ここが巨大な人造湖、ナムグム湖だ。

ナムグム湖のほとりにはボート乗り場があり、大きさと所要時間に応じて価格の異なるボートをチャーターできる。このボートがすごいのは、ボート乗り場に併設するレストランで注文した料理をボートの上に並べて食べることができることだ。アルコール類も楽しめるので、気分はまるで隅田川の屋形船の様。実際、週末になると、ビエンチャンの人々が親族や友人で集まって、ボートの上で団らんをして過ごすという。食事のメニューには湖から獲れた色々な魚が含まれている。

湖には水位に応じて大小様々な島ができており、興味深いことに湖の中心部には刑務所やドラッグ中毒者の更生施設まであるという。通常のボートのコースには、島全体が丸々土産物屋となっている島への上陸が含まれており、地元の人々の商魂のたくましさを感じさせる。

この巨大な湖は1960年代、ラオスがまだ内戦の最中にあった時期に始まったナムグムダムの建設プロジェクトによって誕生したものだ。当時、経済的に貧しく、電力も不足していたラオスにおいて、メコン川の支流であるナムグム川をせき止めるダムと水力発電所を作ることで電力を生み出そうとしたもので、プロジェクトには日本のODAや日本企業も参加している。その後、何回かの拡張を繰り返すことで、現在ナムグムダムの水力発電所から生み出される電力はビエンチャン近郊地域の電力需要をカバーするとともに、メコン川を挟んだ対岸にあるお隣のタイにも輸出され、ラオスの貴重な外貨収入源となっている。

そう、ラオスの人々にとって、水がもたらす恵みは不可欠のものとなっているのだ。

メコン川は雨期の間に降り続く雨が集まって、遠くカンボジアやベトナムまで続く大河になる。左右に蛇行しながら進むメコン川の姿は古くからラオスの人々に大きな蛇、竜の神の存在を暗示してきた。仏教において、釈迦の守護神であるとともに天気を操り、干ばつや雨をもたらす竜の神と信じられているのがナーガだが、ラオスの寺院では水の恵みを求めてか、たくさんのナーガの像を見ることができる。

日本では今年、外交関係樹立60周年を記念して、ナムグム湖を舞台とした日本とラオスの合作映画、「ラオス 竜の軌跡」も公開された。ビエンチャンを訪れた際には、ぜひナムグム湖にも足を延ばしてほしい。

海の上に続く道-フロリダ州キーウエストへのドライブ

アメリカ人がアメリカ南部で最も美しい景色として良く挙げるのが、フロリダ州の南部、州都マイアミからアメリカ本土最南端の島、キーウエストまで国道一号線に沿って走るドライブだ。メキシコ湾の上に浮かぶサンゴ礁の島々を、42個もの橋を渡って進んでいくと、まるで海の上を走っている様な感覚になってくる。今回、念願かなって遂にこの道をドライブすることができた。

ドライブ前日、旅の起点はアメリカ内における中南米への玄関口、マイアミ。町中ではテキサス以上に普通にスペイン語で会話が交わされている。観光客は東側のマイアミ・ビーチに多く、深夜になっても人々の熱気が絶えない。私達はマイアミで100年以上続くという有名なレストラン、Joe’s Stone Crabで鋭気を養う。ここの名物は、地元で採れるストーンクラブというカニの巨大なツメ。肉厚でバターをつけて食べると非常に美味しい。(なお、このレストランは予約ができず、マイアミ在住の友人によると、週末は1時間程並ぶのを覚悟した方がいいという。)IMG_1435

翌朝、快晴の空の下、マイアミを離れて一路南に下る。一時間程走ると、次第に道の両側に海がチラチラと見えてきて、遂には最初の大きな島、キーラルゴに続く橋に出る。この辺りから海はエメラルドブルーの綺麗な色に変わってくる。IMG_0012

そこからは、南国情緒溢れる島の中を通る道と、太陽の光を反射してきらめく海の上を橋に沿って進む道が交互に現れ、走っているだけで何かの映画の中にいる様な気分にさせられる。そして、さらに1時間半程走ると、マイアミからキーウエストまでのドライブのクライマックスと言える、とてつもなく長い橋、セブンマイルブリッジが見えてくる。IMG_1457 (1)

セブンマイルブリッジはその名の通り、海の上に7マイル、約11Kmにわたって続く橋で、日本でも映画やCM等で見たことのある方も多いと思う。これだけ橋の距離が長いと、橋の上をドライブしているというよりは海の上をドライブしている様な感覚になる。アメリカで色々な道を車でドライブしてきたが、この爽快感は他では決して味わえないと思う。IMG_0070

セブンマイルブリッジを過ぎ、更に1時間程進むと、目的地であるアメリカ本土最南端の島キーウエストに到着。ここは、文豪アーネスト・ヘミングウェイが1930年代に暮らしていた島として知られ、島には今でも文豪が愛した陽気で自由な雰囲気が漂っている。キーウエストで最も美しいと言われるフォート・ザッカリー・テイラー州立公園のビーチを訪れると、人々はゆったりと流れる時間に合わせ、思い思いにのんびりと過ごしていた。天気のいい日は遥か南にキューバが見えることもあると言う。IMG_1445

できることならば、現代社会の忙しさから離れ、しばらくの間キーウエストにのんびりと滞在したいところだったが、今回は時間の都合でマイアミに日帰りせざるを得なかった。しかし、南国の太陽はそんな私達にももう一つご褒美を用意してくれていた。キーウエストからマイアミに帰る途中、先程のセブンマイルブリッジを過ぎたところで休憩のために車を止めると、丁度橋の向こうの海に夕日が沈むところだったのだ。夕日を反射した海が金色に輝き、私達はうっとりと魅了されてしまう。IMG_1468

ここでは、あれもこれもと忙しく計画をする必要はない。ただ、その空間に身を置いているだけで幸せな気分になる、そんな気分になりたい方は一度キーウエストまでのドライブを試してみては如何だろうか。

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世界最南端の謎に迫る-パタゴニア・ウシュアイア旅行記

前回のパタゴニアのフィッツロイ・トレッキング編に続き、今回も番外編としてアルゼンチンのパタゴニア旅行について書いてみたい。

フィッツロイなどの名峰やペリト・モレノ国立公園などの巨大氷河を後に、パタゴニアを更に南下すると、南米大陸の南端、そして、「世界最南端の町」として有名なウシュアイアにたどり着く。今回は、この町がどう「世界最南端」であるのか、その謎に迫ってみたい。IMG_1148

ウシュアイアは、アンデス山脈の南端のすぐ先に、ビーグル水道に面した港町が広がる、とても風光明媚な町だ。南緯55度、南極圏まで1,250Kmのこの町では、12月末頃は日が非常に長く、午後10時くらいまで明るい。下の写真は、午後9時くらいの港の風景だが、若干曇ってはいるものの、その明るさが伝わるかと思う。IMG_1145

この町は「世界最南端の町」として知られているが、町にはいろいろな世界最南端があり、訪れる者を探検家に変えていく。

まず、町の西側にはティエラ・デル・フエゴ国立公園という大きな国立公園があり、人気の観光スポットとなっているが、そこに行くには通常、「Tren del Fin del Mundo(世界の果て鉄道)」と呼ばれる蒸気機関車に乗り込む。鉄道ファンも感激と思われる、世界最南端の鉄道というわけだ。IMG_1049IMG_1050

世界の果て鉄道の終点に着くと、次に、観光バスに乗り込み、Fin del Mundo(世界の果て)と呼ばれる場所に向かう。そこはラパタイア湾を望む展望台に至る未舗装の道路の終点なのだが、それは同時に、アルゼンチンを南北に結ぶ国道3号線の終点でもある。そして更に、それは何とアメリカ最北の州アラスカから、南北アメリカ大陸を縦断して伸びている主要道路の終点でもあるのだ。看板には、「アラスカまで17,848Km」との標識があり、気が遠くなるほど南に来たのだと再認識させられる。IMG_1079

 

下の写真は世界の果てと呼ばれる場所から見える風景。世界の果てという言葉から連想するイメージと異なり、穏やかな風景が広がっている。IMG_1080

そして、世界の果てを後にし、ウシュアイア観光のハイライトであるビーグル水道クルーズに向かう。ビーグル水道は、東半分がアルゼンチン領でありウシュアイアが位置する北のフエゴ島と、チリ領である南のナバリノ島の間を通る海峡で、東の大西洋と西の大西洋を結ぶ水路でもある。ここには、岩礁や小さな島がいくつもあり、オタリアというアシカの仲間やウミウ等の海鳥達の棲み家となっている。IMG_1095

だが、ここの主役は何と言ってもペンギン達だ。人間達が「世界の果て」と呼ぶような南端の場所であっても、南極圏を主な生息地とするペンギン達にとってはむしろ北の土地であり、ペンギン達は繁殖のため、10月から3月の間のみ、パタゴニアに姿を現す。海岸を埋め尽くさんばかりのペンギン達がヨチヨチと歩く姿は非常にかわいらしい。IMG_1143

IMG_1139しかし、話はこのままでは終わらない。かわいいペンギン達に会えてすっかり満足した観光客達を乗せたクルーズ船がウシュアイアに戻る途中、船内放送をしているガイドが衝撃の言葉を口にする。

「ビーグル水道の南側に見えているのは、チリのプエルト・ウィリアムスで、人口は3,300人…」

ビーグル水道の北側にあるウシュアイアが世界最南端の町と信じていた者たちはその耳を疑わざるを得ない。

どうも、プエルト・ウィリアムスはまだ人口三千人程で、「村」というべき規模なので、ウシュアイアが世界最南端の「町(Ciudad)」であることには影響しないということらしい。しかし、聞くところによると、プエルト・ウィリアムスの人口は少しずつ増えているという。しかも、チリとアルゼンチンは、2015年7月のサッカーのアメリカ選手権決勝戦が記憶に新しい様に、何かにつけて対立しやすい。

近い将来、「世界最南端の町」の座が奪われることにならないかと余計な心配を抱いてしまう、ウシュアイアへの訪問であった。

 

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憧れの煙の山-パタゴニアのフィッツ・ロイへのトレッキング記録

イグアスの滝について書いた前回の記事に続き、今回も番外編としてアルゼンチンで感動した場所について書いてみたい。

アルゼンチンの最南部に位置するパタゴニアは、フィッツ・ロイやセロ・トーレに代表される、見る者を魅了せずにはいられない名峰が並び、山好きの人間にとって永遠の憧れの場所だ。地球上で日本から最も遠い場所の一つでありながら、山野井泰史氏による1990年のフィッツ・ロイ冬季単独初登など、日本人のクライマーの実績も多い。今回、アルゼンチンを旅行するにあたり、遂に僕にとっても憧れのパタゴニア一の雄峰、フィッツ・ロイをトレッキングすることができたので、その魅力を紹介してみたい。

フィッツ・ロイへのトレッキングは、麓の町、エル・チャルテンから始まる。このエル・チャルテンにしても、山道具屋や、登山者用のホステル、雰囲気のいいバーが並び、山好きにとっては天国の様な場所だ。IMG_0974

8時30分、フィッツ・ロイ山の登山道入り口に到着。今回は日帰りのトレッキングということで、12.5Km程先にあるフィッツ・ロイ直下の湖、ロス・トレス湖を目指す。IMG_0975

登山口から20分程登りが続いた後、ラス・ブエルタス川を見渡す展望台に到着。ここからは、ラス・ブエルタス川に沿って、高低差の少ないなだらかな道が続く。IMG_0978

フィッツ・ロイは先住民からチャルテンと呼ばれ、彼らの言葉で「煙を吐く山」という意味だ。パタゴニアの激しい気流がフィッツロイの頂に激突して煙の様な大気の凝結が起こり、その頂はほとんどの時間、その名の通り、煙の様な雲に覆われている。今回も、途中のカプリ湖を過ぎた辺りから、フィッツ・ロイの頂が見えてきたが、山頂付近は雲に覆われており、不安が募る。

しかし、登山口から二時間半程歩き、ポインセノットのキャンプ地の手前で、遂に急峻な山頂がその姿を現した。遠目から見てもその存在感は凄まじく、もっと近づいてみたいという欲求に駆られる。IMG_1003

11時にポインセノットのキャンプ地を過ぎ、20分程でもう一つのリオ・ブランコのキャンプ地を過ぎた後は、それまでのなだらかな道から一変し、1時間半程の急登が続く。標高は1,000m程とは言え流石に息が切れてくるが、湖で待っているはずの絶景を信じて、一歩一歩歩みを進める。

そして、12時IMG_101640分、ロス・トレス湖に到着した僕は目の前の光景に立ちすくむ。

氷河から解けたばかりの水は、濃い目のシアン色をして静かに広がるロス・トレス湖をなしており、その背後にフィッツ・ロイが圧倒的な存在感でそそり立つ。その光景は、あまりに現実離れしていて、もし「天上の世界」というものが本当にあるとしたら、それはこういった場所だろうと思わせる様な、圧倒的な神々しさを感じさせる。IMG_1017

フィッツ・ロイはもちろん何も語らないが、氷河の衣を纏い、堂々とそびえ立つその姿は、あたかも人間のちっぽけな悩みを全て理解しているかの様に超然としている。二時間くらいそこで山を眺めて過ごした後に僕は、次はその山頂に立つために戻ってくる、との決意を心に秘め、その場を後にした。14:30頃にロス・トレス湖を出発した後、帰りは同じ道を下って、18時40分に無事に登山道に到着。

海外の山もいくつか登ったが、山としての存在感において、フィッツ・ロイは特別だと思う。パタゴニアは地球上で日本から最も遠い土地の一つではあるが、特に山好きな方は、ぜひ機会を見つけて訪れて頂きたい。

ご参考までに下記は簡単な登山記録。

フィッツロイ直下のロス・トレス湖までのトレッキング(合計10時間)

2015年12月29日

8:30 登山道出発

11:00 ポインセノットのキャンプ地着

12:40 ロス・トレス湖着

14:30 ロス・トレス湖発

16:10 ポインセノットのキャンプ地着

18:40 登山道着

日本での登山の感覚からすればありえないスケジュールに見えるが、南緯49度に位置するフィッツロイ周辺では12月末の時期は、22時くらいまで明るいことをご考慮頂きたい。また、今回僕は運が良かったが、悪天候が多い地域であり、確実にフィッツ・ロイの雄姿を拝むためには、もし都合が許せば、麓のエルチャルテンで数日宿泊することをお勧めしたい。

次は、パタゴニアの世界最南端の町、ウシュアイア編に続きます。

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夜に虹が見える場所-アルゼンチン・イグアスの滝 旅行記

今回から番外編として、旅行中のアルゼンチンについて書いてみたい。

南米経験が長い何人からの知人から、南米随一のおススメスポットとして、アルゼンチンのイグアスの滝を勧めて頂いていた。今回実際に訪問してみて、知人達に感謝するとともに、ここがいかに特別な場所かを実感した。世界最大の滝の一つとして、見る者を圧倒する滝の大迫力ももちろんながら、ここは夜に虹が見える場所でもあるのだ。

イグアスの滝の観光は、ユネスコの世界遺産でもある国立公園のゲートからスタートする。ゲートをくぐってしばらくSendero Verde(緑の道)という遊歩道を歩くと、最初の見所である上下ふたつの遊歩道にぶつかる。まず、Paseo Superior(滝の上の遊歩道)は、イグアス川の流域に沿って、東西に大きく広がった一連の滝を上側から眺めながら歩くことができる。IMG_0893

僕が訪問した時期は、前日にアルゼンチン北東部の一部で大規模な洪水が発生するなど、その日までの降水量が例年よりも多く、「濁流」と表現するのがふさわしいと思える様な水の勢いだった。IMG_0896

もう一つの遊歩道はCircuito Inferior(滝の下の回廊)と呼ばれ、滝の下部を眺めながら、森に囲まれた広範囲のエリアを歩くことができる。こちらは、滝の迫力もさることながら、滝が終わった後のイグアス川の轟々と流れる勢いにも引き込まれる。IMG_0901

また、この遊歩道にはそこらじゅうで動物たち、特にカラフルな蝶や、かわいらしいアカハナグマに頻繁に出会える。アカハナグマはとても人懐っこく、すぐ近くまで接近してくるので、人間の方が驚いてしまうほどだ。

IMG_0903

遊歩道を歩き終えた後は、無料の列車に乗って、イグアスの滝の最上部、観光のハイライトであるGarganta del Diablo(悪魔ののどぶえ)に向かう。電車を降り、イグアス川の上にかけられた橋を20分ほど進むと、それは現れる。滝の最大落差80mで、アルゼンチン側からブラジル側に流れ落ちる悪魔ののどぶえの姿は、壮大であるのを通り越して、畏怖すら感じさせる。IMG_0918

この滝はそれ自体が生き物であるかの様に、辺りに水しぶきと轟音を撒き散らしながら、刻一刻とその姿を変えていく。少し手を伸ばせば滝に触れられる様な距離まで近づくことができるが、もし滝に飲まれたら最後、決して生きては戻れないだろう。見る者にその圧倒的な荒々しさを感じさせる悪魔ののどぶえだが、心が休まるのが、あまりに激しく落ちる滝があげる水しぶきで、滝の中ほどに虹が現れることだ。IMG_0923

そして、この滝のもう一つの姿を発見できるのは、満月の夜である。ここイグアスの滝では、満月の前後5日間限定で、Paseo de Luna Llena(フルムーン・ウォーク)というウォーキングツアーが開催されており、散策の前か後にアルゼンチン料理のビュッフェを挟んで、閉園後の悪魔ののどぶえまで戻ってくることができる。

昼間と同様に電車を降り、悪魔ののどぶえまで歩いて向かう道は、満月の淡い光に照らされているだけで、濁流の赤茶けた色も見えず、落ち着いた雰囲気だ。たどり着いた悪魔ののどぶえも、昼間の威圧感が嘘の様に、水流が絹のうねりの様に白く怪しく照らされ、幻想的なたたずまいを見せている。そして、余りに強い勢いのため、湧き上がった水しぶきは満月の光を十分に集め、真夜中であるにも関わらず、虹を作り出しているのだ。

大変申し訳なくも、夜の虹は流石に手元のカメラには収められなかった。撮影した写真をできるだけ明るく加工したのがこれである。FullSizeRender

世界広しと言えども、夜に虹が見える場所はそうないに違いない。昼間の悪魔ののどぶえの圧倒的な迫力、そして、夜の悪魔ののどぶえにかかる虹の神秘的な美しさはぜひご自分の目で確かめて頂きたい。

次は、パタゴニアのフィッツロイ・トレッキング編です。

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ホワイトサンズ国定公園の一年間に6回しか開催されないガイドツアー

観光旅行における強い味方と言えば、地元の観光ガイドだ。限られた時間の中で、その土地の魅力を堪能するには、観光スポットを毎日の様に巡っている地元のガイドの深い知識と経験が頼りになる。しかし、アメリカはニューメキシコ州の南部にあるホワイトサンズ国定公園には、一年の間に6回しか開催されないLake Lucero(ルセーロ湖)ツアーという一風変わったツアーが存在する。今回、そのツアーに参加してみたので、ここでレポートしたい。

ホワイトサンズ国定公園は、琵琶湖より一回り大きい面積に広がる巨大な砂丘地帯に位置する。ルセーロ湖ツアーに参加するには、アメリカ国立公園局の公式サイトから申し込む以外になく、指定フォームに記入した後、Eメールで送付すると、数日後に参加可否が返信されてくる。一年のうち、1-4月、11月、12月の月1回ずつ、計6回しか開催されず、所要時間は3時間で、現地集合、現地解散だ。

その現地集合場所と言うのがまた面白く、何と米軍が保有するミサイル射撃場のゲートの前に車に乗って集合する。それもそのはず、砂丘地帯のうち、国立公園なのは4割ほどで、残りの6割は全米でも最大規模のミサイル射撃場として使われているのだ。
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ゲートの前でレンジャーに名前を告げた後、定刻になると、参加者の車は一列になって米軍施設の中を通り抜けていく。トレイルの入り口まで30分程度は運転し、両側の光景は非常に興味深いが、残念ながら写真撮影は厳禁とのことだった。

トレイルの入り口に着くと、参加者は車から降り、レンジャーの後ろに付いて、砂漠の中の道なき道を歩いていく。この日は曇りの気候でむしろ肌寒いくらいだったが、好天時は冬でも30度を越えることもあると言う過酷なトレイルだ。

IMG_0669歩き出して30分程で、ルセーロ湖という湖の湖岸に着く。湖といっても、砂漠地帯だけあってほとんど水はないが、その代わりに周りにガラスの破片の様なものが散らばっている。IMG_0680 (2)

このガラスの様に見えるものの正体は医療用ギプス等にも使われる石膏だ。その成り立ちとしては、まず、およそ2億5年前に海底であったこの一帯にプランクトンの死骸が溜まって石膏を含んだ地層となる。その後、地層の隆起や雨による地層からの石膏分の溶け出しを経て、最終的に現在のルセーロ湖の辺りに溜まった石膏分を含んだ水分から、ゆっくりと水分が蒸発し、Selenite(透明石膏)と呼ばれる結晶になったのだ。近くで見てみると、確かに結晶である。

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だが、ここで話が終わっていれば、わざわざ年に6回のガイドツアーが開催されるまでもないのであり、ミサイル射撃場に戻った参加者達にレンジャー達は、ここで得た知識を元にぜひ北東のホワイトサンズ国定公園を訪れる様に促す。そこには、この地域特有の強風で少しずつ石膏結晶の破片が飛ばされ、巨大な砂丘地帯を形成しているという。

しかし、もとはといえば、小さな石膏の結晶なのだから、そこまでの大きさではないだろうと思っていた僕は、ホワイトサンズ国定公園の内部に入って息を呑む。IMG_0698IMG_0701

そこには360度どこを向いても、見渡す限りの白い砂の砂漠が広がっていた。その砂は、とても美しい白色をしていて、折りしも当日は曇り空で空までもが白いため、どこまでが空でどこまでが砂漠なのかわからなくなる程だ。

IMG_0709コンパスを頼りに砂漠の中を歩いてみると、ルセーロ湖に溜まった石膏から、気の遠くなる様な時間をかけて、少しずつの自然の働きでこうした美しい光景ができたのだという事実に、ひしひしと感動を覚えてくる。最初から砂丘を訪れていたら、砂丘の美しさに魅了されこそすれ、ここまでの心の動きはなかったかもしれない。

年に6回しか開催されず、スケジュールを合わせるのが難しいとは思われるが、ニューメキシコ州のホワイトサンズ国定公園を訪れる方は、うまく都合がつけば、是非ともルセーロ湖ツアーに参加して頂きたい。

 

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2015年10月 イエロー・ストーン国立公園旅行記 その2

前回に引き続き、2015年10月にワイオミング州のイエロー・ストーン国立公園を旅した際の旅行記を書いてみたい。(前回の記事はこちら)なお、改めてこの旅行記は天候に恵まれた場合のケースで、10月のイエロー・ストーンは積雪に見舞われる場合もあることをご留意頂きたい。

イエロー・ストーン二日目は、サウス・エントランスから一気に北上し、最も北にあるマンモスカントリーへ。ここは、公園内で唯一年中開いているエリアで、本格的な冬になると、スノー・モービルなどのアクティビティも楽しめるそうだ。このエリアの目玉はTerrace Mountain(テラス・マウンテン)。地底から吹き上がった温泉に含まれる石灰成分が、長い間に何重にも積み重なって段丘を形成したものだ。間欠泉と同様、色々な大きさや形のものがあり、レンタカーで回ってみると楽しい。なお、この日は朝方から摂氏10度以上に気温が上がらず、風も強かったため、フリースとダウン・ジャケットが必須だった。

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その後、ルーズベルト・カントリーを経て南に向かい、イエロー・ストーンの名前の由来にもなっているイエロー・ストーン大峡谷があるキャニオン・カントリーへ。このエリアの見所は、落差94mもあるLower Fall(ロウアー滝)で、峡谷に沿っていくつか作られているトレイルから、滝のすぐそばまで歩いていけるので、ぜひトレイルに挑戦し、滝の大迫力を堪能して頂きたい。写真は、滝の上部に接近できるBrink of Lower Fall Trailの終点。

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ということで、10月上旬であれば、イエロー・ストーン国立公園の主な見所は、自力で回ることができる。次に、僕達の様にジャクソン・ホール空港を起点に旅行される方には、ぜひ足を伸ばすことをお勧めいしたいのが、イエロー・ストーンの南にあるもう一つの国立公園、グランド・ティトン国立公園だ。

イエロー・ストーン程の規模はないものの、グランド・ティトンの魅力は、何と言ってもティトン山脈の山々の美しさ。山々に近づくティトン・パークロードは10月上旬であればまだ開いているので、ぜひリー・レイクやジェニー・レイク等の湖まで足を運び、湖面というキャンバスに、山々の威容が鏡の様に写り込むのを楽しんで頂きたい。(余談だが、このグランド・ティトン国立公園は僕の好きな登山漫画の「岳」の序盤の舞台でもある。)

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更に余裕のある方は、湖周辺にいくつもあるトレイルでハイキングするのもいいと思う。動物や野鳥に出会うには人が少ない早朝がお勧めで、僕達が歩いたLeigh Lake Trail(リー・レイク・トレイル)ではトレイルを鹿に塞がれるといったハプニングにも出会えた。但し、オフ・シーズンの早朝というのは逆に言うと、下手すれば自分たちしかいない程人が少ないので、クマ対策は十分にする必要がある。僕達も当初は、Leigh Lake Trailを全て歩く予定だったのだが、ベアスプレーを持っていなかったため、頻繁に現れる「クマ注意」の看板も考慮して、上の写真を撮って途中で戻ってきたのだった。

アメリカ生活の間に、アメリカの国立公園はいつくか回ったが、その圧倒的な規模と、何日いても飽きないバラエティーで、イエロー・ストーン国立公園とグランド・ティトン国立公園は最もお勧めだ。この記事が、10月上旬に旅行を検討されている方にとって、少しでも参考になっていれば、著者としては非常に嬉しい。

最後に、10月上旬といっても、各カントリーのビレッジにあるレストランは団体ツアー客等で非常に混雑しているので、見所を回るのにより多くの時間を割きたいのであれば、カップラーメン等のインスタント食品を持参するのがお勧めだ。一部のショップやカフェテリアではお湯の出る機械も用意されていた。

 

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2015年10月 イエロー・ストーン国立公園旅行記 その1

アメリカ南部をテーマとした本ブログの趣旨とは異なるが、2015年10月上旬に訪問したワイオミング州のイエロー・ストーン国立公園への旅行記を書いてみたい。というのは、シーズンオフ直前の10月の旅行記というのはウェブ上でもほとんどなく、これからこのエリアを訪問する方々の旅の計画に、多少なりともお役に立てるのではないかと思うからだ。なお、下記はあくまでも天候が良かった場合における一例に留まり、10月の旅行がうまく行くことを保障するものではないことをご留意頂きたい。

8月頃に、10月上旬の三連休(アメリカは10月12日月曜日がコロンブス・デイという祝日)にイエロー・ストーン旅行を計画してから、この旅行を決行しようか多いに迷った。ガイドブックではベストシーズンは6-8月となっており、ウェブ上にも10月の旅行記はほとんどなく、僕達は個人旅行ではあるものの、日本の大手旅行会社のツアーは9月で終わっている。しかも、9月の時点で現地の天候が雪の日が何度か出始めた。しかし、諸事情もあり、今回を逃すと、来シーズンに行けるかはわからなかったので、一か八かにかけてみることにした。

今回の旅の出発地点はワイオミング州の小さな空港、ジャクソン・ホール。アメリカで唯一、グランド・ティートン国立公園という国立公園内にある空港で、イエロー・ストーン国立公園の南の玄関であるサウス・エントランスまでは、車で1時間半程度の距離にある。飛行機を降りると、すぐ後ろにティートン山脈の最高峰、グランド・ティートン(標高4,197m)の威容が拝めるすごい空港だ。

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アメリカ南部暮らしに慣れた僕も、雪道の運転には全く慣れていないので、慎重を期してレンタカーは4WDのSUVを事前に注文した。実際に支給されたのがこのシボレーのTraverse。燃費は非常に悪いが、今回の旅を通じて、そのパワーと耐久性が常に安心感を与えてくれた。

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空港を出たらティートン山脈を横に眺めながら、牧草地帯を一路北に向かう。心配していた積雪も全くなく、交通量も激しくないので、運転はすこぶる快適だ。しかし、そんな旅路はすぐに思ってもみなかったものに遮られることになる。何と、バッファローの群れが道路を塞いでいるのだ。

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バッファローは車に対して無頓着で、何ともマイペースに道路を横切っている。しかし、そこはワイオミング。地元の人々も観光客と思わしき人々も車を止め、皆笑顔でバッファローの歩みを見守っている。なお、バッファローは最大で時速40マイル(約65キロ)で走るらしく、想像より体も大きいので、写真を撮りたいからといって車の外には出ない方がいいと思う。また、こうして運転中に動物に出くわすことは良くあるので、それを見越して余裕を持ったスケジュールを立てることをお勧めしたい。

途中グランド・ティートン国立公園を過ぎ、1時間半ほどでイエロー・ストーン国立公園のサウス・エントランスに到着。イエロー・ストーンは雰囲気の違う5つの地域(カントリー)に分かれているが、とにかく広いのでレンタカーは必須だし、レンタカーがあっても到底一日では回りきれない。僕たちは一日目はイエロー・ストーンのシンボルとも言えるGeyser Country(ガイザー・カントリー)に向かった。

南から進むと、ガイザー・カントリーの中心地であるOld Faithful(オールド・フェイスフル)に最初に着くことになり、ここにはビジター・センターやレストラン、ギフト・ショップ等が並んでいる。シーズンオフとは言っても、いくつかあるロッジは何ヶ月も前から全て満室だった。なお、10月上旬ともなると、レストランは営業していても、ギフト・ショップに併設のカフェは閉まっていたりと、全ての施設が開いているわけではないので、注意して頂きたい。

オールド・フェイスフルの中心には、Old Faithful Geyser(オールド・フェイスフル・ガイザー)がある。ガイザーとは日本で言う間欠泉のことで、通常はその名前の通り、不定期で温水が噴出するのだが、このオールド・フェイスフル・ガイザーはまさに忠実(Faithful)に、ほとんど一定の間隔に噴出する。噴出の高さも予想以上のもので一見の価値ありだ。次回の噴出予定時刻は、ビジター・センター等に記載されており、噴出が近くなると、観光客がガイザーの周りに大量に集まってくる。

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このオールド・フェイスフルおよびその周辺には、大きさや噴出の量、頻度、色など、バラエティー豊かな間欠泉があり、ぜひレンタカーで回ってみることをお勧めしたい。そもそもイエロー・ストーンの国立公園の中心部が現在も活発に活動している活火山なのだが、このエリアでは特に、間欠泉が多いこともあり、その蒸気の影響か、10月上旬でも半袖シャツ一枚で十分な程に暖かい。

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間欠泉巡りだけですっかり日も暮れてしまったので、イエロー・ストーンのサウス・エントランスから、一時間ほど南東に向かったところにあるMoranという街のHatchet Resort というモーテルに泊まる。ここはモーテルとは言っても、木造でロッジ風の作りになっており、周りも一面の牧草地なので、十分に自然の中での宿泊という気分を楽しめる。国立公園内のロッジが予約できなかった方にお勧めだ。また、モーテルにはレストランが併設されており、ステーキやパスタなど「とても美味しい!」という程ではないが、土地柄を考えれば十分の味で、夜はカップラーメンを覚悟していた僕達には有難かった。レストランでは、地元のマイクロ・ブリュワリーで醸造したビールも飲め、ワイオミングらしい芳醇なフレーバーが印象深かった。

IMG_0423 IMG_0382随分長くなってしまったが、10月上旬のイエロー・ストーンの魅力を伝えられる様、次回も続けたいと思うので、お付き合い頂けたら大変有難い。

その2はこちら

 

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アメリカ南部から見たメキシコ・カンクン旅行記

若干前の話ではあるが、メキシコが誇る観光地、カンクンに行ってきた。カンクンへの旅行について書いているブログは、それこそ星の数ほどあると思うので、ここでは、アメリカ南部在住者の視点から見たカンクン旅行記を書いてみたい。

僕の住むテキサス州はメキシコ湾という海に接している。メキシコ湾は海上油田の掘削や漁業が盛んではあっても、お世辞にもきれいな海ではなく、いかに夏の暑さが厳しいとはいえ、泳ぎたくなる海ではない。しかし、メキシコ湾の南東に位置するカリブ海に出ると状況は一変する。そのカリブ海の代表的な観光地がカンクンなのだ。

テキサスからカンクンへは飛行機で約2時間、ニューヨークへ行くよりも短い時間で行ける。しかし空港に着くとそこはメキシコ、英語ではなくスペイン語が飛び交う。…と思うはずが、あまり新鮮さは感じない。それもそのはず、僕の住むヒューストンは近年の移民の増加で白人よりもメキシコ人を含むラティーノの方が人口が多く、建物の中の表示も基本的に英語とスペイン語の二言語表示である一方、カンクンは観光地だけあって、英語をしゃべれる人も多いからだ。

しかし、空港から30分程のホテルが密集するゾーンに着くと、流石に感動を覚える。目の前にはテキサスのメキシコ湾とは全く違う、エメラルドブルーの海が広がっている。

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カンクンは数字の7の形をした細長い土地にメキシコ政府の先導で開発されたリゾートで、ホテルゾーンには高級ホテルがひしめいている。高級ホテルは基本的にオールインクルーシブというシステムを採用しており、ホテルの中にあるレストランやカフェでは全て食べ放題、飲み放題。いちいち財布を出す必要がない。僕の泊まったハイアット・ジラーラ・カンクンには、メキシカンやイタリアン、アメリカン、スペイン料理、アジア料理など、色々な種類のレストランが揃っており、味も悪くない。更に言えば、わざわざ海に行かなくても、ホテル内のプールで十分に泳ぎを堪能できる。

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上に書いた通り、テキサスにはメキシコ移民が多く、地理的にもメキシコに隣接していることもあり、テックス・メックスと呼ばれるアメリカ人の口にあう様に独自に発達したメキシコ料理のお店が多い。

そんな環境の中、今回本場のメキシコ料理を味わったわけであるが、メキシコでこそ味わえる料理の中で、僕が特に気に入ったのがArrachera(アラチェラ)だ。牛肉の中でも日本で言うハラミの部分を薄く小さくステーキにした料理なのだが、これが本当に美味しい。テキサスのわらじの様な巨大なステーキも豪快で好きだが、こうした牛肉の旨みをしっかりと味わえる食べ方もやはりいい。

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また、アメリカ南部にもDos Equis(ドス・エキス、スペイン語で二つのXという意味)など、メキシコ産のビールが人気であるが、メキシコではそうしたビールをMicherada(ミチェラーダ)と呼ばれるカクテルにして飲むのが人気だ。地域によって作り方には違いがある様だが、カンクンで飲んだミチェラーダは、ビールに、ライムと塩、コショウ、そして少量のチリソースを加えたシンプルな物だった。これがまた、アラチェラによく合う。IMG_0186-1更に言えば、アメリカ南部とカンクンでは歴史も違う。例えば僕の住むテキサス州では、テキサス人にとっての歴史といえば、テキサスを開拓したアメリカ人移民達が激しい戦争の末、メキシコからの独立を勝ち取った1836年前後から始まる。しかし、カンクンのあるユカタン半島では紀元前の遥か昔から、マヤの諸部族が高度な文明を築いており、カンクンから車で片道3時間程のチチェン・イッツァはそのマヤ文明の代表的な遺跡だ。巨大なピラミッドの精巧さもさることながら、遺跡の周辺の地域では、今でもマヤの部族の人達が伝統的な文化を守って暮らしていることに驚かされる。

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ここまで書いてきた様に、アメリカ南部から非常に近く、南部にはない様々な魅力を持っているために、カンクンはアメリカ南部の人達にも大人気の観光地だ。もちろん、アメリカ南部だからこそ味わえる魅力もまだまだあり、それについてはまたの機会に紹介させて頂く事としたい。

最後に、今回宿泊したハイアット・ジラーラ・カンクンは、ハイアットの公式サイトで確認すると満室だったのだが、HISのサイトで確認するとまだまだ空室があった。予約の際の参考にして頂きたい。

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