ヒューストンバレエ団が来日公演!―千葉との絆―

この週末、我らがテキサス州ヒューストンが誇るヒューストンバレエ団が千葉県千葉市美浜区で初めての日本公演を開催している。ヒューストンバレエ団が千葉での公演に至ったのは、ヒューストンと千葉との絆、そして関係者の粘り強い努力によるものだった。

ヒューストンというと、石油の街をイメージする人が多いと思う。しかし、実際にはヒューストンはバレエやオペラ、オーケストラなど多数の文化団体を有するアートの街で、特にヒューストンバレエ団は1969年設立の歴史ある団体だ。多文化の街ヒューストンらしくダンサーの文化的背景も様々で、特に日本人ダンサーは現在6人も集まっている。

そんなヒューストンバレエ団に長く貢献してきた日本人ダンサーが、2016年まで12年間ヒューストンのステージに立ち続けていた楠崎なおさんだ。愛媛県で生まれた楠崎さんは10歳の時に家族とともに渡米し、最初はワシントンDC、次いでボストンで暮らす。ボストンでバレエのトレーニングを積み、ボストンバレエ団のダンサーとなった楠崎さんは、ヒューストンバレエ団の芸術監督であるスタントン・ウェルチの作品に感銘を受け、後にヒューストンバレエ団に移籍する。

楠崎さんはダンサーとしての活躍とともに、芸術が周りの人々に対して何ができるのかを考え続けてきた人でもあった。2011年の東日本大震災の後には、ヒューストンバレエ団によるチャリティーイベントを企画し、また、2015年には日本の昔話に基づく創作バレエ作品である『TSURU』を手掛けた。

そんな楠崎さんにとってヒューストンバレエ団の日本公演は長年のプロジェクトであった。ヒューストンと千葉市が今年で45周年となる姉妹都市であること、そして、先述の『TSURU』の振付を手掛けた小尻健太氏の地元が千葉市美浜区であることの縁もあったが、何よりも楠崎さんを中心とした関係者の粘り強い努力によって、今回の公演が実現したものだ。

公演初日の7月22日、会場となった美浜市民ホールには、多くの観客が詰めかけ、創作バレエと古典バレエ作品を組み合わせたプログラムに酔いしれた。第一部の『TSURU』ではヒューストンバレエ団で長きにわたってステージを共にした楠崎さんと吉山シャール氏の息の合ったダンスが観客を魅了し、第三部ではスタントン・ウェルチの振付作品を踊るヒューストンバレエ団の多くのダンサー達のパフォーマンスを、同じくヒューストンで活躍するピアニストである三牧可奈さんの演奏が彩った。

ダンサー達は今回の日本公演後、休む暇なくヒューストンに戻り、次のシーズンに向けた練習を続けるという。これからも新たな挑戦を続けるヒューストンバレエ団に期待したい。

ヒューストンにアートをもたらした女性とメニル・コレクション

アメリカの私営美術館を聞いて読者の皆様は何をイメージするだろうか。ニューヨークのメトロポリタン美術館だろうか。それとも、ロサンゼルスのゲティ美術館だろうか。

ことアートに関しては日本での知名度の低い我らがテキサス州ヒューストンであるが、実はヒューストンにも私営で運営され、メトロポリタンやゲティ美術館同様、入場料は無料で誰にでも開かれた美術館がある。それがメニル・コレクションである。

https://www.menil.org/

全米で最も都市計画が欠如した都市として知られ、雑然としたヒューストンの街並みの中、そこだけはヨーロッパを思わせる建物が並ぶ上品なエリア、ミュージアム・ディストリクトには、ヒューストンが誇る美術館や博物館が立ち並んでいる。その一角に静かに佇むメニル・コレクションは、20世紀のヒューストン随一のアート収集家でフィランソロピストでもあったドミニク・デ・メニルとジョン・デ・メニル夫妻のコレクションを収蔵し、1987年の開館以来、無料での開放を続けている。

収蔵品としては、ルネ・マグリット、マックス・エルンストやパブロ・ピカソなどシュルレアリスムや現代美術の名作が多い一方、同じ建物の別のスペースには、ネイティブ・アメリカンやアフリカの伝統的な美術品を展示したコーナーもあり、そのコレクションは約15,000点にも上る。

それでは、ドミニク・デ・メニルは如何にしてこれだけの私営美術館を築き上げたのだろうか。ヒューストンの地元新聞であるHouston Chronicle電子版の2016年6月16日付の記事、Dominique de Menil changed Houston, one art treasure at a time(ドミニク・デ・メニルはヒューストンを変えた、ある時期におけるアートの至宝)が彼女の波乱に満ちた生涯を紹介している。

ドミニクは1908年フランスで生まれ、彼女の父は現在でも世界最大の石油サービス企業であるシュルンベルジェ社の創業者であるシュルンベルジェ兄弟の一人であった。ドミニクが22歳の時に、ヴェルサイユのダンスパーティーで後に夫となるジョン・デ・メニルと出会い、一年後に結婚。ジョンはシュルンベルジェ社の重役となり、子供にも恵まれた夫婦は順風満帆な生活を送るはずだった。しかし、第二次世界大戦が勃発し、パリがナチスに占領されると、一家はアメリカに逃げ延び、シュルンベルジェの北米本社があるヒューストンに落ち着く。

最初は慣れないアメリカでの暮らしに苦労したが、成せば成るの精神が根付くテキサスの気風を気に入った夫妻は、フランスでのアートに対する知見をもとに、美術品の収集を始める。コレクションが増えるにつれ、夫妻の情熱はヒューストンにアートのコミニュティを作ることに広がり、自身のコレクションの一部をヒューストンの美術館や大学に寄贈していく。そして、遂には、自分たち自身の美術館の設立に至るのである。

アメリカに移住後カトリックに改宗した夫妻にとって、アートと自らの信仰は深く結びついており、美術品の収集においても、深い精神性を持った作品を志向した。1997年に亡くなったドミニクはかつてこう書いている。

Through art, God constantly clears a path to our hearts.

(アートを通して、神は絶え間なく私たちの心に至る道を示すのです。)

筆者として興味深く思うのは、そうした信仰心に根差した彼女が、自身の信じるカトリック、より広くキリスト教にまつわる作品だけでなく、ネイティブ・アメリカンやアフリカの伝統的美術品にも、人間の根源的な精神性を見出し、充実したコレクションを形成したことだ。以前このブログでも紹介したが、夫妻がアメリカの抽象表現主義の大家であるマーク・ロスコに依頼して建造し、メニル・コレクションに隣接するロスコ・チャペルも、宗教を問わないチャペルとして万人に開かれている。

↓ロスコ・チャペルについて以前書いた記事はこちら

画家マーク・ロスコがヒューストンで到達した極致ーロスコ・チャペル

アメリカでも最も人種や民族的に多様性に富んだ都市の一つであるヒューストン。その都市でドミニク・デ・メニルが死後20年程が経った今でも多くの人々から尊敬され、メニル・コレクションには絶え間なく人が訪れる理由は、苦難の人生を経験した彼女だからこそ、特定の宗教の内に閉じることのない、広い視野に立った精神性を持っていたからだと思う。

↓下の写真はメニル・コレクションの展示品の前で行われていた無料コンサート

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石油の街ヒューストンならではの石油にまつわる博物館

古今東西、世界には多くの博物館がある。大英博物館の様に世界中からありとあらゆる事物を収集した場所もあれば、鉄道博物館という様に、特定の事物に特化した場所もある。そして、石油ガス産業が主要産業であるテキサス州ヒューストンには、石油ガス産業に関する博物館がいくつもあるのだ。日本人には馴染みの薄い石油ガス産業の世界をわかりやすく紹介する石油ガスの博物館をここで紹介してみたい。

まずは、ヒューストン最大の博物館であるHouston Museum of Natural Science(ヒューストン自然科学博物館)。ここは、一般には全米最大規模の恐竜の化石を所蔵することでも有名だが、この博物館の一角にWiess Energy Hallと呼ばれる石油ガス産業に関する展示を集めた大きなスペースがある。

展示としては石油ガス産業の上流から下流への流れに沿って続いていて、石油ができる仕組み、石油の探鉱(Exploration)、掘削(Drilling)、生産(Production)、加工(Process)、輸送(Transportation)など、石油ガス産業のそれぞれの工程に関する最新技術を、豊富な実物の展示や作りこまれた映像を通して学ぶことができる。2013092311412841a

201309231141272f0なかでも目玉は、Geovator(ジオベーター)と呼ばれるアトラクションで、約2,300メートルの地下にある石油の層まで、実際に井戸の中を通って降りていく様な気分になり、石油掘削と生産の現場を疑似体験することができる。映像や音響は博物館とは思えない程凝っていて、特に米国のシェール革命を可能にした最新技術Fracking(水圧破砕)を疑似体験できるのは、石油ガス産業に携わる者にはたまらない。

次に紹介するのは、Ocean Star Offshore Drilling Rig and Museum。ここはヒューストン中心部から南東に一時間程車を走らせたガルベストンという街にあり、目の前にはメキシコ湾が広がっている。メキシコ湾は世界中でも、海上油田や海上ガス田が多いことで知られ、石油ガス産業が発達するにつれて、メキシコ湾の中でもより深い場所(Deepwaterと呼ばれる)にある石油ガスを掘るために、リグと呼ばれる掘削用のやぐらが進化してきた。

ここはそんな海上用のリグの詳細やリグの進化の歴史が学べる、おそらく世界でも唯一の博物館であり、リグに関する展示物は数多い。何しろ博物館の外側に、実際に海上掘削に使用されたリグがそのまま展示されているのだ。かなりマニアックな博物館ではあるが、ガルベストンではここ以外にも修理中の巨大なリグをそこかしこに見ることができ、自然にリグについて興味が沸いてくると思う。

写真は修理中のリグとその近くに停泊中のカリブ海クルーズのクルーズ船。こんな景色が見られるのもガルベストンならではだろう。IMG_0272

そして、最後に紹介したいのは、次の写真に写っている博物館。201311171503555f7

と、読者の皆様はただの工場が写っているだけだと思っただろうが、ヒューストンはテキサス州各地で生産される石油や天然ガスを背景に、世界最大の石油化学プラントの集積地となっている。特に、ヒューストンの東の郊外、Houston Ship Channelと呼ばれる石油タンカーが通る運河が内陸まで入り組んでいるエリアに巨大なプラントが多く、その辺りを運転するだけでも、一面に広がる石化プラント群に圧倒される。更に、一般人でも意外と近くまで接近することができるので、石油を精製するプラントが吐き出すフレアと呼ばれる炎さえ見ることができるのだ。石油ガス産業を理解するための博物館という意味では、この石化プラント群も一つの博物館と考えることができると思う。2013111715040073c

ヒューストンの観光地というと何といってもNASAが有名だが、石油ガスの街であるヒューストンを訪問した際は、ぜひこうした博物館に足を運び、石油ガス産業の持つダイナミズムを実感して頂きたい。

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画家マーク・ロスコがヒューストンで到達した極致ーロスコ・チャペル

アメリカのアートの中心と言えばニューヨークであることは否定できないが、ニューヨークで叶わなかった願望をアメリカ南部で叶えたアーティストもいる。20世紀半ばのアメリカで流行した抽象表現主義(Abstract Expressionism)の代表的な画家の一人として数えられるマーク・ロスコ(Mark Rothko)もその一人で、彼のアーティストとしての人生は、ヒューストンにある巨大な作品ロスコ・チャペルでその極致に達した。

マーク・ロスコ自身はその生涯において、自らが抽象表現主義のアーティストに区分されることを拒否していたが、彼は1950年代当時、巨大なキャンバスや均一な平面に代表され、アメリカ発の美術潮流であった抽象表現主義のアーティストの一人と目されていた。1958年、彼はニューヨークで新たにオープンするフォーシーズンズホテルのレストランに掲げる壁画の注文を受ける。巨大なキャンパスに均一な色彩を持つ長方形を複数並べるという、独自のスタイルを確立させつつあった彼は、苦心を重ねてその仕事に取り組むが、結局自らのアートが上品な雰囲気のレストランに展示されることが耐えられず、途中で制作を放棄してしまう。

一方、そんな彼の作品に注目したのが、当時ヒューストン在住で、全米でも有数の美術収集家、そして、フィランソロピストとしても知られていたドミニクとジョン・デ・メニル(Dominique and John de Menil)夫妻だった。夫のジョン・デ・メニル氏は、現在世界最大の石油サービス企業であるシュルンベルジェ(Schlumberger)の創業者の一人で、夫妻はヒューストンの石油ガス産業がもたらす富を、アートという形で社会に還元する活動に力を注いでいた。

また夫妻は、当時世界的に広がっていた、キリスト教の教会一致を目指す運動であるエキュメニカル運動、そして、その運動に触発された同時代のアーティスト達の、精神性や宗教性の高いアート作品に感銘を受けていた。マーク・ロスコの作品を気に入った夫妻は、彼であればそうした神聖な空間をヒューストンに作り出すことができると考え、1964年、マーク・ロスコにチャペルの壁画の制作を依頼する。

フォーシーズンズホテル向けの仕事での経験もあり、アートを鑑賞する空間にも強いこだわりを持っていたマーク・ロスコは、この依頼に6年もの歳月をかけて全力で取り組み、1970年の突然の自殺によって彼の最後の作品となったこのロスコ・チャペルは、彼のアーティストとしてのキャリアの極致と評価されるに至った。では、現在は無料で一般公開されているこの作品を、著者なりに解説してみたい。

ヒューストンのダウンタウンの喧騒から離れ、小さな八角形のチャペルに一歩足を踏み入れると、内部の静謐な雰囲気にまず驚かされる。そして、チャペルの中央に進んだ者は、マーク・ロスコが心血を注いだ14枚の壁画に囲まれることになる。7枚は黒、もう7枚は濃い紫色で、全て大きな長方形のキャンバスがほぼ均一に塗られており、見る者に対して、安易な具体的な解釈を許さない。また頭上では、天井に空けられた穴から太陽の光が淡く差し込み、この空間の神聖な雰囲気を高めている。

そして訪問者は、自らがアートを鑑賞しているという状況を超え、静謐な空気の中、自らの内面、更には、現実を超えた超自然的な存在と向き合っているとの感覚を持つに至る。ロスコ・チャペルのウェブサイトによると、創設者であるドミニク・デ・メニル氏はロスコ・チャペルについてこう語っている。

“The Rothko Chapel is oriented towards the sacred, and yet it imposes no traditional environment. It offers a place where a common orientation could be found – an orientation towards God, named or unnamed, an orientation towards the highest aspirations of Man and the most intimate calls of the conscience.”

(ロスコ・チャペルは神聖なものを志向している一方で、何か伝統的な環境を強いることはありません。ここは(訪れる者に)人類に共通の志向を見出す場所を提供します。その志向とはつまり、人によっては神と呼ぶもの、人類が最も熱望するもの、そして、意識の奥底から湧き上がる呼びかけに対する志向なのです。)

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上の写真はロスコ・チャペルの入り口を映したもの。残念ながら内部は撮影禁止だが、ヒューストンに滞在する際には、ぜひ一人のアーティストがキャリアの最後に到達した極致であるロスコ・チャペルを訪れ、神聖な雰囲気の中、アートを見た自分が何を見出すか確かめて頂きたい。

↓ロスコ・チャペルのウェブサイトはこちら。

http://rothkochapel.org/

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これぞテキサスの味!ステーキハウス Taste of Texas

カウボーイ文化を色濃く残すテキサス州には、どの町にも数多くのステーキハウスがあるが、我らがヒューストンには、その名も「テキサスの味」というヒューストンを代表するステーキハウスがある。それが、Taste of Texas(テイストオブテキサス)である。

ヒューストンの西側、主要な高速道路であるI-10沿いにあるこのレストランは、毎晩夕方になると多くの人で賑わう。このレストランは予約を受け付けない方針を取っており、到着後30分程度は待つことを覚悟しなくてはならない。但し、待合室兼バーが設けられ、ポップコーンが無料で食べられるなどの配慮もされている。

待ち時間にすっかりお腹を空かせてテーブルに着くと、流石ヒューストンを代表するステーキハウスだけあって、テキサスでは滅多に見ることのない日本語のメニューを渡される。IMG_0160 (1)

このレストランは、Edd HendeeとNina Hendee夫妻が1977年にオープンし、1984年にテキサスで初めて証明書付きアンガスビーフを提供したというだけあって、ステーキの種類が豊富だ。ただ、著者としては、このレストランを初めに訪れた方には、ぜひトマホーク・リブアイ・ステーキに挑戦することをおススメしたい。

日本語のメニューにはこう書かれている。

「ステーキ通の中のステーキ通のお客様にお勧めいたします。プレートから飛び出す14インチ/約36センチ長さの38オンス/約1,077グラムの。お客様はこの最初のトマホークステークを決して忘れることはないでしょう!」

何ともステーキ好きの食欲とプライドをあおる言葉ではないだろうか。このレストランはもう何度も訪問しているが、私は半分以上はこのトマホーク・ステーキを注文している。

そしてさらに嬉しいのは、ステーキを注文後、希望者は店の奥に通され、ケースに並べられた肉の中から、自分が食べる肉を自分で選ぶことができる。実際には専門家でもない限り、どの肉がよりおいしいかを判断するかは困難なのだろうが、ステーキを食べるという課程を一つ一つ体験させてくれるのがテキサスらしい。IMG_1564

 

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肉を選んだ後は、バラエティー豊かなサラダバーでお好みのサラダやパンを選ぶことができ、ステーキが焼き上がるのを待っている間も退屈しない。ちなみに、キッチンで毎日焼き上げているというパンは、このレストランの隠れた名物と言える程おいしいので、ぜひ試してみて頂きたい。

そして十数分後、テーブルの上に待ちに待ったステーキが登場する。このレストランで最大の38オンス(約1,077グラム)のトマホーク・ステーキは「これぞ肉」とばかりに、プレートからはみ出してその存在感を主張している。IMG_1566

だからと言って決して大味ではなく、選び抜かれたアンガスビーフのリブアイは噛む程に柔らかく、肉汁が溢れ出て非常においしい。また、レモンペッパーやブルーチーズバターなどのトッピングも味に広がりをもたらし、大きなステーキでも最後まで飽きることがない。

更にこのレストランがすごいのは、その客がテキサスを初めて訪れたとわかると、カウボーイハットとスカーフを着用させた上で、カウボーイ風の写真を撮り、店を出る前にその写真をプレゼントしてくれるのだ。まさに「Taste of Texas」という名前を冠しているだけあってのテキサスらしいホスピタリティーで、著者はテキサスが初めての訪問者があった際には、できるだけこのレストランを体験してもらう様にしている。

単にステーキだけでなく、「テキサス」を体験できるステーキハウス、Taste of Texas。ヒューストンに来た際にはぜひ訪問して頂きたい。

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ヒューストンが全米で最も都市計画がヒドイ都市に選出!?

アメリカの情報サイトThrillistに、2016年3月4日付でThe 9 Worst Designed Cities in the US(全米で都市計画がヒドイ都市ワースト9)という興味深い記事があり、そのランキングの中で我らがヒューストンが最も都市計画がヒドイ都市に選出されているのだ。他のアメリカ南部の都市もランキングに登場しており、アメリカ南部を理解するのに役立つと思うので、ここで紹介してみたい。

このランキングはThrillistが複数の都市プランナーに取材して、独自に作成したという。まず、ワースト9のランキングを並べると、

9位 モンタナ州ミズーラ

8位 ルイジアナ州ニューオーリンズ(アメリカ南部)

7位 フロリダ州オーランド(アメリカ南部)

6位 ワシントンDC

5位 カリフォルニア州ロサンゼルス

4位 ペンシルバニア州ピッツバーグ

3位 ジョージア州アトランタ(アメリカ南部)

2位 マサチューセッツ州ボストン

1位 テキサス州ヒューストン

さて次に、ヒューストンが何故この様な不名誉な称号を獲得したかを見てみると、同記事は、有名な土地区画法(Zoning Law)の欠如を挙げている。その結果として、「アダルトショップの横に高級デパートがあり、さらにその横に高層オフィスビルがある」といった風景が見られることを指摘している。

確かに、全く異なる建物が隣り合っている様子はヒューストンでよく見られる風景だ。何気なく撮った写真の中でも、歴史的な建物と高層ビルが隣り合っていたりする。IMG_1234

しかし、同記事も認めている通り、ヒューストンの人々は土地区画がない事実を好ましく思っている。この都市では過去、土地区画法が何度も住民投票にかけられては否決されてきたという。

アメリカ南部の都市は総じてその傾向があるが、ヒューストンに初めて来た時に感じたのは、一見したその無機質さだ。ダウンタウンのごく一部のエリアを除いて、歩いてお店を巡れる場所はほぼ皆無で、移動は全て車。結果として、お店は中央に大きな駐車場を備えた多くのモールに集まることになり、最初はどこのモールに行っても同じに見えた。

ところが住み始めてからしばらく建つと、高速道路の脇に、突然大きな教会が現れたり、高級レストランの横に当たり前の様にストリップ劇場が並んでいたりする様子に気づき、この都市が有する混沌、自由に変化を続ける活力に魅了されてくる。それは、元よりフロンティアの時代からテキサスの人々が持っていた自由を愛する土壌を下敷きに、20世紀後半の石油ブームで、世界中から多種多様な人々が移民してきた歴史と無縁ではないだろう。IMG_1580

ちなみに同記事では、そうした都市区画の欠如が、私有車での通勤時間の長期化や公共交通の貧弱さを生み、ひいては最近まで全米で最も肥満率の高い都市という、もう一つの不名誉な称号を保持していたことにつながっているとも指摘している。私見では、確かに公共交通の不足との関連はあると思うものの、肥満率の高さはステーキからコーラに至るまで”Everything is bigger in Texas”の精神で、何でも特大サイズを注文する気風の方が問題だと感じるのだが。。。IMG_1575

 

 

ヒューストンを訪れる際には、都市区画の無さが生み出す混沌という魅力にぜひ注目して頂きたい。

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ヒューストン一の観光地 NASA・ジョンソン宇宙センターの楽しみ方

テキサス州ヒューストンに住んでいて、日本からの訪問者が来ると、ほぼ確実にお連れするのが、ヒューストン一の観光地であるNASAのJohnson Space Center (ジョンソン宇宙センター)だ。私自身10回以上訪問しているはずで、何度も訪問すると、ここをより楽しむ方法がわかってくる。今後訪問を検討している方のために、以下で紹介してみたい。

まず頭に入れておいて頂きたいのは、全米に10施設あるNASAの主な施設の中で、ジョンソン宇宙センターは主に、ミッションコントロールと宇宙飛行士の訓練を担っていることだ。『アポロ13』等の映画で、宇宙飛行士が「ヒューストン、ヒューストン、応答して下さい」といった通信を行っていたのが、ここにあるミッションコントロールセンターだ。一方、宇宙飛行士の訓練施設については、最近では漫画『宇宙兄弟』で登場することでイメージがある方も多いだろう。一方、スペースシャトルの打ち上げ自体はフロリダ州にあるケネディ宇宙センターで行われていて、ここでは見れないので悪しからず。

さて、ジョンソン宇宙センターを訪問する者はまず、センターに併設された観光用施設であるSpace Center Houstonに入ることになる。駐車場に到着すると、飛行機の上に乗っかったスペースシャトル、インデペンデンスのレプリカに出迎えられ、いよいよ期待が高まる。IMG_1325

そしてスペースセンターの内部に入ると、迫力の映像が楽しめるシアターやNASAの宇宙開発に関する展示品を集めたギャラリー、宇宙を体験できるアトラクション等が目の前に現れ、どこから行こうか迷ってしまう。私としては、まず”Destiny Theater”に向かうことをおススメする。NASAの宇宙開発の歴史がまとめられた映画であり、お連れする訪問者がNASAや宇宙開発に余り詳しくない時に重宝する。そして、歴史といっても、決して退屈な記録映画風ではなく、”Human Destiny”(人類の運命)というタイトル通り、非常にドラマティックで迫力のある映像となっており、見る者を飽きさせない。特に、映画の中盤のある場面では、ドキッとさせられること間違いなしだ。IMG_1326

その後、特に時間がない方は、スペースセンター内を最も奥まで進み、トラムツアーに参加することをおススメする。他のアトラクションはあくまで観光客向けに作られたものだが、このトラムツアーでは、トラムに乗って、実際にNASAの職員が勤務しているジョンソン宇宙センター内に入っていくことができる。赤と青の二種類のツアーがあり、一方はミッションコントロールセンター、もう一方は宇宙飛行士の訓練施設に行けるので、興味に応じて選んで頂きたい。どちらのツアーでも、最後にロケットの展示が集まるロケットパークを訪問するが、アポロ計画時代に使用された超巨大なサターンVロケットは必見だ。

また、スペースセンター内の一角には、これまでの宇宙飛行士の写真を時系列で並べたギャラリーがあり、いくつかの写真には日本人宇宙飛行士も含まれているので、時間がある方は探してみるのも楽しい。IMG_1327

最後に、スペースシャトル計画も終わり、NASAの宇宙開発も停滞してしまったと思う方もいらっしゃるかもしれない。しかし、スペースセンター内に展示されているのは、決してアポロ計画やスペースシャトル計画等の過去の宇宙開発の資料だけではなく、人類の未来を担う将来の宇宙開発計画に関する展示もあるのだ。特に、NASAの次世代宇宙船である”Orion”の展示は好奇心をくすぐられる。IMG_1332

10回以上も訪問しているジョンソン宇宙センターだが、決して飽きることはない。来るたびに様々な展示から宇宙開発に携わる人々の情熱に触れ、翌週の仕事を頑張ろうという気にさせられるのだ。ヒューストンを訪れる方には是非ともこのヒューストン一の観光地を訪問して頂きたい。

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日本未進出のテキサス州のこだわりハンバーガー②Becks Prime

テキサス州のこだわりハンバーガーFuddruckersを紹介した記事に続いて、今回もハンバーガーに並々ならぬこだわりを持った人々が住むテキサス州で人気の、日本未進出のこだわりハンバーガーを取り上げていきたい。

今回取り上げるのは、1984年にヒューストンで創業したハンバーガーチェーンBecks Prime(ベックス・プライム)だ。ダラスにも2店舗を有するが、メインはヒューストンでヒューストン大都市圏に11店舗を数える。

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このお店は”Fresh”であることを重視しており、注文を受けてから調理するのはもちろんのこと、一切の食材を冷凍せず、牛肉のパッティーもお店で作っている。また、加熱についても、高温で燃えるためにバーベキューの燃料に適していると言われるメスキートの木炭を創業以来、一貫して使用している。

そうしたこだわりのもとに作られるハンバーガーももちろん美味しいのだが、今回の記事ではMesquite Grilled Sandwich(メスキート炭でグリルしたサンドイッチ)というこだわり溢れる呼び方でカテゴリー分けされたサンドイッチ、その中でも豪華なRib Eye Sandwich(リブロース肉牛肉のサンドイッチ)を紹介したい。というのは私は、初めてこのBecks Primeを訪れた際に知人にこのリブアイサンドイッチをお勧めされて食べて以来、このサンドイッチのファンなのだ。

日本で言うサーロインと肩ロースの中間に位置する牛肉の部位であるリブアイは、適度に脂肪分が入り、テキサスの人々が誇りとするステーキハウスにおいても、最も人気な部位の一つだ。そんなリブアイをグリルしたものをそのままサンドイッチに挟んでしまおうというのだから、何とも贅沢である。では実物を見てみよう。IMG_1536

上の写真からお分かり頂けただろうか。適度に焼き目が付き油の乗ったリブアイが、バンズからあふれ出さんばかりにその存在を誇示している。レシピはとてもシンプルでリブアイ以外の食材はレタスのみで、ケチャップとマヨネーズをつけて食べる。初めて食べる前はリブアイステーキをハンバーガーにして食べるのは何だかもったいない気もしたのだが、一度食べるとパンとリブアイの食感のコンビネーションが病みつきになる。

なお、Becks Primeは各店舗にオープンテラスの客席があるのも特徴で、明かりの下のステーキハウスと比べて、青空の下、開放感に満ちた気分でリブアイステーキを食べられるのも更に嬉しい。IMG_1540

とここまで読んで、ハンバーガーについての記事かと思ったのに、何でサンドイッチ?と思った読者の方もおられるかもしれない。アメリカではハンバーグ以外の肉をバンズで挟んでいるものはxxサンドイッチと表現されることが多い。しかし、アメリカ人の感覚としては、ハンバーガーとこうしたサンドイッチは同じカテゴリーに分類されているし、アメリカ発の日本の某大手ハンバーガーチェーンでも、魚や鶏肉を挟んでいるメニューもハンバーガー扱いになっていることも考慮して、どうかご容赦頂きたい。

牛が身近に存在し、ステーキが大好きなテキサスらしいハンバーガー。ヒューストンを訪れる際にはぜひご賞味頂きたい。

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年に一度のカウボーイ・カウガール達の祭典 ヒューストンロデオ

今年もヒューストンにロデオの季節がやってきた。年に一度、アメリカ南部・中西部各地から、馬や牛の扱いに自信のあるカウボーイ・カウガール達がヒューストンに集い、様々な競技で、日頃の修行の成果を競い合うイベントである。個人的には、最もテキサスらしいと思うイベントの一つだ。

ヒューストンロデオは、3月1日-20日の20日間に渡って行われ、この季節になると、普段はアメリカンフットボールの地元チームであるヒューストンテキサンズの本拠地、NRGスタジアムが、馬と牛と熱気に満ちたロデオ会場に早変わりする。IMG_1473

夜になると、NRGスタジアムの周りには、この日のために着飾った人達が集まってくる。着飾ると言ってもスーツやドレスではなく、カウボーイ・カウガール達に合わせて、上半身は柄シャツ、下半身はジーンズとカウボーイブーツ、そして、頭にはカウボーイハットといういで立ちだ。また、会場の周りでは、各地から集まったバーベキューの店舗が味を競うという、もう一つの戦いも行われている。

スタジアムの内部は、アメフトの時と同様、一階席から四階席まで客席が分かれているが、私の経験上、競技に接近できる一階席以外は、詳しい競技の様子が肉眼では見えず、スタジアム中央のスクリーンを通して見ることになるので、余り座席にはこだわらなくてもよいと思う。IMG_1476

いざロデオが始まって驚くのは、種目の多さだ。合間のショーも含めると、10以上の種目があり、それぞれロデオの期間中に、予選から決勝までが進行し、その年のチャンピオンも決まる。

まず日本の方々にも馴染みが深い種目としては、Bull Ridingという暴れ牛にどれだけ乗っていられるかという種目がある。8秒乗れば合格となり、それまでの乗り方と牛の暴れっぷりが評価されるが、素人には点数がどう付けられているのかがなかなかわかりにくい。ただ競技は迫力十分で、下の写真は、ズームが荒くて見にくいが、カウボーイが途中で牛に振り落とされるシーンだ。ただ8秒乗ると言っても、その難しさが伝わるだろうか。IMG_1492IMG_1493

難しさという意味では、素人目に最も難しく見えるのは、Steer Wrestlingという種目。その内容は、走っている馬の上から逃げる牛にジャンプして飛びつき、その牛の首をひねって地面に倒すまでの時間を競うというものだ。恐らく西部開拓時代の実際の作業からヒントを得て考案されたのだろうが、動く動物から動く動物に飛びつくというのはそれだけでも至難の業だ。そして、毎回牛の首をひねって倒すというのは、牛にはダメージはない様だが、どこかの動物愛護団体から抗議がこないか無用な心配をしてしまう。下の写真は、中央の青いシャツの男性が、牛の首に見事飛びついた瞬間だ。IMG_1488

一方、美しさを感じる競技といえば、Barrel Racing。基本的には女性、カウガール達の競技で、会場内に三角形に配置された樽の間を馬で走り抜けるタイムを競うというものだ。カウガール達のたづなさばきで、馬達が樽の周りを最小限のスペースでターンし、最後ゴールに全速力で走り抜ける様は、見ていて美しさすら感じるし、会場も盛り上がる。IMG_1490 (1)

そして、ロデオの全ての種目が終わり、会場の興奮が最高潮に達した時、会場の中央から花火が上がり、第二部であるコンサートに移る。ロデオのコンサートは、一部の大物ポップアーティストを除いて、多くがカントリーミュージックのアーティスト達で、日本の方々にはほとんど馴染みがないだろうが、アメリカ南部では熱狂的な人気を誇るアーティストも多い。私達が訪れた日も会場は大興奮に包まれていた。IMG_1509

何がロデオの魅力かと言えば、カウボーイ・カウガール達の熟練された技術ももちろんながら、会場の周りのテキサスバーベキューの味、普段はテキサスの田舎の牧場で牛や馬の世話をしているであろうカウボーイ・カウガール達の雄姿、テキサスの人々が熱狂するカントリーミュージックの心地よい響きと、自分達がテキサスにいるのだということを全身で感じさせてくれることだ。ロデオ期間中にテキサスを訪れる方はぜひともこのヒューストンロデオを訪れていただきたい。

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今年もアメリカ南部にCrawfish(ザリガニ)のシーズンが到来!

これまでテキサスの料理として、こだわりのハンバーガーテキサス・バーベキューを当ブログで紹介してきたが、日本では食べられなさそうなアメリカ南部の料理として特徴的なのは、やはりCrawfish(ザリガニ)だと思う。男性なら、子供の頃に小川でザリガニを釣った経験があるかもしれないが、ここアメリカ南部でそのザリガニを調理して食べるのである。そして、今年もアメリカ南部にザリガニのシーズンが到来した!

ザリガニは元々ケイジャン料理と呼ばれる、テキサス州の東隣のルイジアナ州南部の料理だ。18世紀、新大陸アメリカにおけるイギリスとフランスの植民地戦争の結果として、フランス系住民の一部がルイジアナ州の南部に移住し、自給自足のため、ザリガニ、ワニ、カエルなど、土着の食材を使った独特の料理体系を作り上げる。時を経て、そうしたケイジャン料理はテキサス州にも広がり、特にザリガニは晩冬から春にかけての風物詩となっている。

シーズンが近づくと、地元の新聞Houston Chronicle電子版の2016年1月7日付の記事Crawfish are back in Houston, and early to boot, but be wary of size(ザリガニがヒューストンに帰ってきた。始まるのは早いが、大きさには注意)の様に、地元の人々は、養殖されているザリガニの成長の具合を話題にする様になる。同記事によると、ヒューストンでのザリガニシーズンの始まりは、通常、1月下旬から2月中旬くらいだと言う。それ以前にも店頭にザリガニは並び始めるが、まだまだ大きさが小さくて食べにくい。一方、シーズンの終わりは感覚的には4月下旬くらいで、その時期を過ぎるとザリガニが成長し過ぎて、ゆでても硬くて美味しくない。

アメリカ南部に住んでからの3年半で、何度もザリガニを食べる機会があったが、最近生粋のケイジャンであるルイジアナ出身の知人に連れて行ってもらったBayou City Seafood And Pastaというレストランが個人的には最も美味しいと思う。IMG_1336

ザリガニは重量を指定して注文する形式になっており、私は通常、半ポンド(約230g)を注文するのだが、知人からは「とりあえず2ポンドくらい注文するよな。」と言われ、驚きながらも、プロからのアドバイスなのだからと思って従う。しばらくして、バケツ一杯に入れられたザリガニが運ばれてくる。付け合わせのジャガイモとトウモロコシも豪快だ。IMG_1339

初めはこれだけの量を食べられるか不安だったが、このレストランのオリジナルスパイスが効いたザリガニは絶妙な味付けで、食べる手が止まらず、バケツの中がどんどん少なくなっていく。ザリガニ用のスパイスには通常、塩、コショウ、タマネギパウダー、ガーリックパウダー、レモンジュースなどがブレンドされるが、知人によると、ケイジャンの家庭にはどこでもその家オリジナルのスパイスのレシピがあるのだという。

また、ザリガニの食べ方としては、まず頭の部分を取り、次に背中の部分を剥いて中の身を取り出して食べる。日本でカニを食べる場合と似て、食べるのに地道な作業が必要なため、自然と無口になってしまう。また、カニと比べても食べれる部分が小さいので、上記の様にシーズンの初期にまだザリガニのサイズが小さいうちに食べると、食べられる部分が小さすぎて食べるための労力に見合わない様に感じられる。

シーズンの後半にはCrawfish Festival(ザリガニ祭り)なるものも各所で開かれる。屋外に特大の釜が用意され、何百人もの人々がどんどん茹で上がるザリガニをただただ食べ続けるイベントだ。また、多文化都市ヒューストンにおいては近年、ベトナム系住民達が、ニンニクとバターをふんだんに使ったソースが特徴のベトナム風の味付けのザリガニを出すレストランを続々とオープンさせており、伝統的なケイジャン風の味付けのザリガニに匹敵する様な人気を持つまでに至っている。

アメリカ南部生活の醍醐味として、今シーズンのヒューストンのザリガニシーンにどんなザリガニが登場するか、目が離せない。

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