テキサス州にある全米で最も新しい国立公園-ウェイコ・マンモス国定公園

読者の皆様は、アメリカの国立公園と聞いてどこを思い浮かべるだろうか?カリフォルニア州のヨセミテ国立公園だろうか?アリゾナ州のグランド・キャニオン国立公園だろうか?それとも、ワイオミング州のイエローストーン国立公園だろうか?

ここテキサス州には、知名度こそ他の州の有名な国立公園に及ばないが、これまでも12もの国立公園が存在していた。そして、2015年7月10日、テキサス州で13番目の国立公園、そして、現時点で全米で最も新しい国立公園が誕生した。その名もウェイコ・マンモス国定公園(Waco Mammoth National Monument)である。「全米で最も新しい」というだけでも、より貴重な感じがするのもあり、今回はウェイコ・マンモス国定公園の魅力に迫ってみよう。

テキサス州有数の大都市であるダラスとオースティン、その中間付近に位置するWaco(ウェイコ)は、テキサス州中部の中規模都市で、アメリカ人が好きな炭酸飲料、ドクターペッパーの発祥の地としても知られている。そんなウェイコの郊外を車で走っていると、知らなければ見逃しそうな程にこじんまりとした国立公園の看板が現れてくる。IMG_1250

2015年7月10日にオバマ大統領が承認した新しい国立公園、ウェイコ・マンモス国定公園だ。イエロー・ストーン国立公園の様な大きな国立公園の場合、公園のゲートからビジターセンターまで1時間、なんてこともあるが、ここの場合は、ゲートから一分も経たないうちにウェルカムセンターに辿り着ける。IMG_1253

ウェルカムセンターでは、約1時間毎に45分間のガイドツアーが開催されており、このブログを見てここを訪れる方がいらっしゃれば、是非ともガイドツアーを利用することをお勧めしたい。料金も大人一人5ドルと良心的だ。

ガイドツアーでは、広場になっている場所で、氷河期のテキサスについて簡単な説明があった後、早速、この国定公園の最大、かつ、唯一の見せ場であるマンモスの発掘現場の中に移動する。IMG_1257

この公園の始まりは、1978年に、二人の青年がボスケ川の近くで異常に大きな動物の骨を見つけた時に遡る。二人がその骨をウェイコのベイラー大学に持ち込むと、同大学の研究者はすぐにその骨がコロンビアマンモスの体の一部であることを見抜き、すぐに大きな発掘チームを組織する。そして、その後の10年以上にも渡る発掘調査で、この場所には、22頭ものコロンビアマンモスと、ラクダやネコの祖先など、その他の約7万年前の氷河期の動物たちの骨が埋もれていることが明らかになった。

この公園が特筆すべきなのは、そうした動物達の骨が、発掘されたままの状態で保存され、一般公開されていることだ。訪問者は、通路の上から、発掘現場全体をゆっくり眺めることができる。IMG_1261

それぞれの骨のそばには、一つの個体ごとに、「Mammoth O(Male)」などといった看板が設置され、素人でも個体の識別が容易になっている。19頭もの多くの、それも子連れのマンモスが一緒に見つかるのは、全米でも他に例がなく、その理由としては、洪水によって一緒に流されたという説が有力だ。しかも、最も大きいオスのマンモスの個体には、沼地にはまって動けなくなっていた子供のマンモスをキバで助けようとしてたと考えられる形跡が見られ、7万年前の地球の家族愛が垣間見えて興味深い。IMG_1260

イエローストーン国立公園の様な広大な国立公園には規模では負けるが、テキサス州に来ることがあれば、氷河期の地球についての貴重な痕跡として、そして、全米で最も新しい国立公園として、一見の価値はある場所だと思う。

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多文化都市ヒューストンだから生まれた人気のインド料理レストランがニューヨークに進出!

テキサス州ヒューストンは、ラティーノを含まない白人が人口上の少数派という多文化都市だ。アジア系の人口は人口の5%程度で全体の中では少数派だが、アジア系の内でもインド系住民は教育水準が高いことで知られ、2000年の国勢調査では、ヒューストン中心部のハリス郡に住む約三万六千人のインド系アメリカ人のうち、その65%が大学教育を修了しているとの調査結果が出ている。

そんな教育水準の高いインド系アメリカ人のみならず、オシャレなスポット好きの白人達にも人気のインド料理レストランが、ヒューストン中心部にあるPondicheri(ポンディチェリ)だ。2016年1月15日付けの地元の新聞Houston Chronicle電子版の記事、Pondicheri New York opening in months(ポンディチェリが数ヶ月でニューヨークにオープン)によると、そのPondicheriの支店が何とニューヨークのマンハッタンにオープンするという。ニューヨーク発のグルメがヒューストンに進出ということは多くても、逆にヒューストン発のグルメがニューヨークに進出というのは珍しく、応援の意味でも、このレストランの魅力に迫ってみたい。

長くインドにおけるフランスの植民地の中心として発達した、インド南部の港町の名前を冠するこのレストランは、ヒューストン中心部の中でも、オシャレなブティックやレストランが立ち並ぶ一角に位置する。IMG_1216

同じインド料理レストランと言っても、インド系住民が多いヒューストンの南西部にあるレストランは、店の外まで各種スパイスの香りが漂ってきたりするが、このPondicheriはそんな香りも無く、周りの風景とマッチした落ち着いた雰囲気だ。店内の内装も黒と茶色を基調にシックにまとめられている。IMG_1218

料理についても、アメリカ人の口に合う様に元々のインド料理からアレンジが加えられており、辛さは控えめだ。また、見た目にも楽しめる様に盛り付けも工夫されている。下の写真は、一番人気のブランチ向けメニューであるモーニング・ターリー。IMG_1221

ターリーとは、大皿に盛られたインドの伝統的な定食料理のことだが、Pondicheriのターリーは、キーマ、ウプマ(野菜)、ポテトの三種類のカレーに、ニンジンのパラータ(インドのパンの一種)、目玉焼き、サフランのヨーグルト、フルーツまでついた目にも鮮やかな料理となっている。大皿の上のどの料理を取っても食材や調理法に工夫しているのが感じられるし、全部食べても、胃に重たさは残らない。

オシャレ志向、ヘルシー志向のアメリカ人の心を捉えるそんな料理の数々は、女性のオーナーシェフであるアニタ・ジャシンガーニさんの卓越した想像力から生まれている。アニタさんは、インド古来の医療・食事法であるアーユルヴェーダから多くを学んでいるとしながらも、自分のオリジナリティーを出すことに躊躇しない。上記のHouston Chronicleの記事中でのインタビューの中で、彼女はこう語っている。

“We are trying to stay within them for some foods and totally breaking them for others. Life is too short not to. We’re also trying to not take ourselves too seriously otherwise life would be boring and we never want to be boring. We want to keep exploring.” (私たちはいくつかの料理ではアーユルヴェーダの伝統に従い、他の料理では完全にそれを破っているの。人生はそうしないには短すぎるわ。私たちは深刻に考えすぎない様にもしているの、そうじゃないと人生はつまらないでしょう。私たちは絶対に退屈したくない。私たちは冒険を続けたいの。)

彼女らが何千年もの歴史を持つインドの伝統を何とも軽やかに取り入れつつも、現代のアメリカにマッチした独自の料理を生み出せるその背景には、それぞれの文化が日々ダイナミックに再生産と変容を続けるヒューストンという都市の土壌があると思う。アニタさんは、ニューヨークの支店をオープンした後も、ヒューストンを離れるつもりはないことを語っている。

これからPondicheriが、同じく多文化都市であるニューヨークでどう受け入れられるか、今からとても楽しみだ。

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テキサスの田舎に突如現れるネイティブ・アメリカン風モーテル-Tee Pee Motel -

アメリカ南部という場所では、一旦都市部を離れれば、牧草地帯や荒野、砂漠の中をまっすぐに伸びる一本道の道路がどこまでも続く。「次の大きな町まで後100マイル」といった看板を見てげんなりすることもしばしばだが、そんな時の強い味方が、車を横付けしてすぐに休めるモーテルだ。価格も通常のホテルよりも大幅に安い。しかし、テキサス州の田舎のWhartonという町には、一度見たら忘れられない独特な外観のモーテルが存在する。今回は、そんなモーテルの様子を報告してみたい。

ヒューストンから南西に60マイル、Wharton(ウォートン)は人口九千人程の小さな町だ。しかし、馬が草をはむ平和な牧草地帯を車で走っていると突如としてそれは現れる。IMG_1229

草の上から、お菓子のトンガリコーンの様な形をした茶色の建物がニョキッと突き出している。しかも、一つならまだしも、同じ形の建物が等間隔にいくつも並んでいる様子は見る者に強烈な印象を与える。更には、建物が並ぶ横には、何故か地面に矢まで突き刺さっている。IMG_1224

そこで上を見上げると、歴史の教科書に出てきそうな、いかにもな服装をしたネイティブ・アメリカンの男性が手招きをしている看板が立っているのだ。そう、ここはTee Pee Motelという現在も営業中のれっきとしたモーテルだ。IMG_1231

実は、こうした形のモーテルは、1930年代から1940年代のアメリカでWigham Motelという名前で一世を風靡した。アメリカ中西部や南部のネイティブ・アメリカン達は伝統的に、動物の皮で作ったテント型の住居、Tipi(ティーピー)で生活していたが、1933年にケンタッキー州に住むフランク・レッドフォード氏がティーピーの形を模したモーテルを作ったのがその始まりだ。今では当時のWigham Motelは文化財に指定されている。

ここWhartonにも当時、Wigham Motelに似たティーピー型のモーテル、その名もズバリTee Pee Motelが立てられたが、いつしか流行も去り、建物は長い間、雑草の中に埋もれていた。しかし、Tee Pee Motelが数奇な運命に巡り合わせたのは、13年前の2003年。

アメリカの三大ネットワークの一つNBCの電子版の2007年9月10日付けの記事、My Teepee or yours?(私のティーピー、それともあなたの?)によると、事の経緯はこうだ。ディーゼルの整備士をしていたバイロン・ウッズ氏は2003年のある日、宝くじで4,900万ドルもの大金を手にする。数ヵ月後、ウッズ氏と妻のバーバラさんがTee Pee Motelの廃墟の前を偶然通りかかった時、バーバラさんは自らの夫にこう言った。

“I want to stay there. Let’s buy it and renovate it.”(私はここに泊まりたいわ。ここを買って、建て直しましょう。)

実はバーバラさんにとっては、Tee Pee Motelに泊まるのが幼い頃からの夢だったのだという。数ヶ月間悩んだ後、ウッズ氏は妻の長年の夢を叶えることを決意し、その後の二年もの歳月をTee Pee Motelの再建に費やした。自らの祖母がネイティブ・アメリカンのコマンチェ族でもある彼は、NBCの取材に対して、こう語っている。

“This wasn’t about making money. It’s having something no one else has,” “This is a piece of Texas history.”(これは金儲けのためじゃなく、他の誰も持っていないものを手にするってことなんだ。そして、これはテキサスの歴史の一部なんだ。)

ウッズ氏の努力により、それぞれのティーピーは現代風に建て直され、建物の内部にはエアコンやTV、インターネットまで完備されているという。また、ティーピーの目の前には、バーベキューグリルも設置されている。IMG_1226

 

アメリカは歴史の少ない国と言われることがあるが、Tee Pee Motelを巡る経緯を一つ取ってみても、そこには、アメリカなりの歴史、そして、その歴史を生きてきた人達の思いが確かにある様に感じる。今回の訪問では宿泊することまではできなかったが、いつかティーピーの中で、アメリカの歴史に思いを馳せてみたい。

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今、テキサス州ではガソリンの値段はXXXよりも安い!?

原油価格の下落が止まらない。1月7日、ニューヨーク先物市場で、米国産原油の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は時間外取引で一時、1バレル32.1ドルと2003年12月以来およそ12年ぶりの安値を記録した。(WTI原油が12年ぶり安値 時間外で一時32.1ドル)背景には、アメリカや中東などの主要産油国が減産を見送り、過酷なシェア争いを続けているのと、中国等での需要の減退があることは各種報道の通りだ。

その結果、原油から精製されるガソリンの価格も下落を続け、特に世界最大の石油化学プラント地帯を抱えるここテキサス州では、レギュラーガソリンの価格は1ガロン(約3.79リットル)=1.6ドルの驚異的なレベルまで落ちている。日本の単位に直せば、1リットル=約50円になる計算で、日本の半分以下である。(ガソリンの安さがヒューストンの生活コストにどう影響しているかは、Forbesの調査でヒューストンが全米で最も実質収入が高い都市にでも紹介した。)

我らがテキサス州ヒューストンの地元新聞であるHouston Chronicle電子版の12月23日付けの記事11 things that cost more than a gallon of gas (1ガロンのガソリンよりも高い11の物)が、ガソリンと身近な液体の1ガロン当たりの価格を比べることで、ガソリン価格がいかに安いかを表現している。今回、その記事の時点から更に進んで、原油価格が12年ぶりの安値に達したのに際し、当ブログでも改めて検証してみたい。

検証の場所に選んだのは、テキサス州サンアントニオが本社で、テキサス州全土に多数の店舗を抱えるスーパー、H-E-Bだ。IMG_1191

ここを検証の場所に選んだのは、テキサスの人々にとって最も身近なスーパーの一つであることもあるが、それ以外にこのスーパーは、同じ敷地内に自らのブランドのガソリンスタンドを運営しており、同じ企業の価格設定として、公平な比較がしやすいことがある。

まず、基準として、このH-E-Bでのレギュラーガソリンの価格は1ガロン=1.61ドルとなっている。これとH-E-Bの他の商品を比較してみよう。IMG_1190

最初に登場するのは、同じ油であるキャノーラ油。IMG_1177

96液量オンスで7.59ドルなので、1ガロン当たり5.69ドルだ。ガソリンよりも3.5倍高い。但し、これについては、地下から大規模に油を生産するよりも、植物から採取した方がコストが高そうなのは、感覚的にもしっくりくる。

次に登場するのは、テキサスの人々にとって最も身近な液体の一つ、地元テキサスのビールであるShiner Bock。IMG_1172

12液量オンス入りの瓶が6本で9.10ドルなので、1ガロン当たりに直せば、1ガロン当たり5.10ドルだ。ガソリンよりも3.2倍高い。アルコール度数の高い酒は火をつければ燃えるというが、普通にガソリンを燃やした方がよっぽど経済的というわけだ。

ガソリンよりも安い液体はないのかという不安が出てきたところで次に登場するのは、テキサスの田舎のどこにでもいる牛から採れた牛乳だ。IMG_1179

128液量オンス=1ガロン当たり、1.99ドルである。かなり近づいてきたが、ガソリンよりは1.24倍高い。自動車の様な複雑な機械を動かすガソリンが牛乳よりも安いというのは、よくよく考えてみると怖い気もする。

いよいよガソリンよりも安い液体はないとあきらめかけてきたところで、遂にガソリンよりも安い液体を発見した。IMG_1174

そう、水である。テキサス州で飲料水として人気のブランドの一つ、Ozarkaは1ガロン当たり1.29ドルで、ガソリンの80%の価格だ。それにしても、探査、掘削、生産、精製、輸送と様々な過程を経てガソリンスタンドに届けられるガソリンに比べて、地下から比較的容易にくみ上げられる水が八割の値段というのは、割りに合わない様に感じられる。

石油ガス産業は、ここヒューストンの最大の産業だ。万が一ガソリンが水よりも安くなる時が来たら、当地の石油ガス産業はいよいよ壊滅的な打撃を受けるだろう。未だ原油価格回復の兆しは見えないが、底を打つのはそう遠くない将来だということを信じて、この記事を終えたい。

 

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銃を見せながら食事したら25%引!? テキサス州で商業施設での銃のOpen Carryが合法化

ワシントンではオバマ大統領が涙ながらに銃規制の強化を訴えている状況下、ここテキサス州では1月1日より商業施設での銃のOpen Carryが合法となり、地元のレストランやスーパーが対応に追われている。レストランで食事をしていたら後ろの客が腰に銃を下げていた、という状況に心の準備をするためにも、ここでまとめてみたい。

Texas Department of Public Safetyのウェブサイトが、1月1日から施行された法律、House Bill 910について解説している。それによると、銃を隠して携帯する免許(Concealed Handgun License(CHL)の保有者は今後、一定の例外を除いて、周りに見える形で(Openly)、銃を肩か腰に下げて携帯することが許されるという。

一定の例外の一つは、高等教育施設で、「銃持込み禁止」の看板を掲げ続けるヒューストン動物園の取り組みを以前紹介した。

また、レストランやスーパーなどの商業施設については、自身の施設内に銃のOpen Carryを認めるかは各経営者の判断に任されており、銃のOpen Carryを禁止したい経営者は、”30.07 sign”と呼ばれる看板を店の入り口に掲げなければならない。これまでのところ各経営者の判断は様々だ。

我らがヒューストンから北西の郊外に位置するサイプレスにあるバーベキューのレストラン、Brooks Placeは、法律の施行日である1月1日に、銃をOpen Carryして来店した客に対して、25%の割引を実施することを発表し、地元の各メディアの注目を集めた。地元ヒューストンの新聞Houston Chronicle電子版の1月3日付の記事Opening weekend of open carry quiet(Open Carryの最初の週末は静か)によると、新しい法律の強固な支持者であるオーナーのトレント・ブルックス氏は、その日、45人が実際に割引を獲得したことを喜び、同紙のインタビューに対して、次の様に語っている。

“I support the Second Amendment,” … “It creates a safer environment for someone dining here – if there was ever someone trying to rob us – or rob our patrons, they’d walk in here, see people with guns. That should be a deterrent.”

(私は(個人が武装する権利を規定した)アメリカ合衆国憲法修正第二条を支持する。(Open Carryは)、ここで食事をする人々に対して、より安全な環境を作りだすんだ。もし、誰かが私達や、うちの常連に対して強盗を働こうとしても、ここに入った瞬間、銃を持った人々を見ることになる。これは抑止力になるんだ。)

このレストランは、決してオバマ大統領が敵視している例の過激な銃ロビイスト団体が経営しているレストラン等ではなく、テキサス州のおいしいバーベキューのリストに入ったこともある、バーベキューの人気店である。実際、オーナーのコメントは、銃所持に肯定的なテキサスの普通の人々の感覚から、そこまで遠くはないと思う。

一方、テキサス州の港湾都市、コーパスクリスティーで誕生し、テキサス州を中心にアメリカの10の州で展開するハンバーガーチェーン、Whataburgerは、既にOpen Carryが合法となっている他の州でも、Open Carryを認めない方針で知られており、今回のテキサス州のケースでもいち早く立場を明確にした。IMG_1167

同社は法律が可決された直後の昨年7月の時点で、自社のホームページで、社長兼CEOであるプレストン・アトキンソン氏の名前で、銃のOpen Carryに関するプレスリリースを発表している。一部を引用すると、

Whataburger supports customers’ Second Amendment rights and we respect your group’s position, but we haven’t allowed the open carry of firearms in our restaurants for a long time. It’s a business decision we made a long time ago and have stood by, and I think it’s important you know why. (…) We’ve had many customers and employees tell us they’re uncomfortable being around someone with a visible firearm who is not a member of law enforcement, and as a business, we have to listen and value that feedback in the same way we value yours.

(Whataburgerは、憲法修正第二条を支持し、(銃を支持する)あなた方の団体の立場も尊重しています。しかし、私達は長い間、自分達のレストランで、銃火器のOpen Carryを認めてきませんでした。これは、私達がかなり前に実施し、守ってきたビジネス上の決断であり、私はあなた方にその理由を知ってもらうことが重要と考えています。(…中略…)私達は、警官でもないのに、目に見える形で銃火器を所持している人間が回りにいることは不安だと語る、多くの顧客や従業員を抱えています。ビジネスとして、私たちはあなた方を尊重するのと同じやり方で、こうした反応に耳を傾け、尊重しなければならないのです。)

目に見える形で銃を保持した人が近くで食事していることを安心と感じるかどうかについて、全く正反対の考え方が存在するというわけだ。日本人の感覚には、Whataburgerの考え方の方が馴染みやすい。写真は、経営者が大切にしているWhataburgerの店内の雰囲気である。IMG_1170

しかし、気になることがある。上記の写真を撮りにWhataburgerを訪問したところ、経営者の力強い言葉にも関わらず、銃のOpen Carryを禁止するのに必要な”30.07 Sign”がどこにも見当たらない。さらに、この記事を書くに当たり、いくつかのレストランやスーパーを訪問したが、どこにも”30.07 Sign”は見当たらなかった。

これは、”30.07 Sign”が持つ強すぎる効果によるのかもしれない。テキサス州の歴史ある月刊誌Texas Monthly電子版は、1月5日付のHow Open Carry Forced Businesses in Texas To Take A Side In The Cultural War(Open Carryはテキサスの商業施設に対して、文化戦争のどちらか一方の側に立つ様に強いている)と題する記事で、Open Carry支持にしても、反対にしても、立場を明確にした商業施設は、反対の立場の側から、ソーシャルメディア等を通じて反発を受けていることを指摘している。少しでも多くの集客を見込むためには、当面の間、目立つ看板を掲げず、立場をあいまいにすべきなのかもしれない。

今後、Open Carryの合法化に起因する事件が起きないことを切に願っているが、何かが起きた時、いよいよ各レストランやスーパーは決断を迫られることになるだろう。

<2016年1月12日追記>

遂に銃のOpen Carryを禁止する”30.07 Sign”を入り口に掲げているレストランを発見しました。以前テキサス州のこだわりハンバーガーとして紹介したFuddruckersです。この”30.07 Sign”が広がるのか、引き続き注目していきたいと思います。

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世界最南端の謎に迫る-パタゴニア・ウシュアイア旅行記

前回のパタゴニアのフィッツロイ・トレッキング編に続き、今回も番外編としてアルゼンチンのパタゴニア旅行について書いてみたい。

フィッツロイなどの名峰やペリト・モレノ国立公園などの巨大氷河を後に、パタゴニアを更に南下すると、南米大陸の南端、そして、「世界最南端の町」として有名なウシュアイアにたどり着く。今回は、この町がどう「世界最南端」であるのか、その謎に迫ってみたい。IMG_1148

ウシュアイアは、アンデス山脈の南端のすぐ先に、ビーグル水道に面した港町が広がる、とても風光明媚な町だ。南緯55度、南極圏まで1,250Kmのこの町では、12月末頃は日が非常に長く、午後10時くらいまで明るい。下の写真は、午後9時くらいの港の風景だが、若干曇ってはいるものの、その明るさが伝わるかと思う。IMG_1145

この町は「世界最南端の町」として知られているが、町にはいろいろな世界最南端があり、訪れる者を探検家に変えていく。

まず、町の西側にはティエラ・デル・フエゴ国立公園という大きな国立公園があり、人気の観光スポットとなっているが、そこに行くには通常、「Tren del Fin del Mundo(世界の果て鉄道)」と呼ばれる蒸気機関車に乗り込む。鉄道ファンも感激と思われる、世界最南端の鉄道というわけだ。IMG_1049IMG_1050

世界の果て鉄道の終点に着くと、次に、観光バスに乗り込み、Fin del Mundo(世界の果て)と呼ばれる場所に向かう。そこはラパタイア湾を望む展望台に至る未舗装の道路の終点なのだが、それは同時に、アルゼンチンを南北に結ぶ国道3号線の終点でもある。そして更に、それは何とアメリカ最北の州アラスカから、南北アメリカ大陸を縦断して伸びている主要道路の終点でもあるのだ。看板には、「アラスカまで17,848Km」との標識があり、気が遠くなるほど南に来たのだと再認識させられる。IMG_1079

 

下の写真は世界の果てと呼ばれる場所から見える風景。世界の果てという言葉から連想するイメージと異なり、穏やかな風景が広がっている。IMG_1080

そして、世界の果てを後にし、ウシュアイア観光のハイライトであるビーグル水道クルーズに向かう。ビーグル水道は、東半分がアルゼンチン領でありウシュアイアが位置する北のフエゴ島と、チリ領である南のナバリノ島の間を通る海峡で、東の大西洋と西の大西洋を結ぶ水路でもある。ここには、岩礁や小さな島がいくつもあり、オタリアというアシカの仲間やウミウ等の海鳥達の棲み家となっている。IMG_1095

だが、ここの主役は何と言ってもペンギン達だ。人間達が「世界の果て」と呼ぶような南端の場所であっても、南極圏を主な生息地とするペンギン達にとってはむしろ北の土地であり、ペンギン達は繁殖のため、10月から3月の間のみ、パタゴニアに姿を現す。海岸を埋め尽くさんばかりのペンギン達がヨチヨチと歩く姿は非常にかわいらしい。IMG_1143

IMG_1139しかし、話はこのままでは終わらない。かわいいペンギン達に会えてすっかり満足した観光客達を乗せたクルーズ船がウシュアイアに戻る途中、船内放送をしているガイドが衝撃の言葉を口にする。

「ビーグル水道の南側に見えているのは、チリのプエルト・ウィリアムスで、人口は3,300人…」

ビーグル水道の北側にあるウシュアイアが世界最南端の町と信じていた者たちはその耳を疑わざるを得ない。

どうも、プエルト・ウィリアムスはまだ人口三千人程で、「村」というべき規模なので、ウシュアイアが世界最南端の「町(Ciudad)」であることには影響しないということらしい。しかし、聞くところによると、プエルト・ウィリアムスの人口は少しずつ増えているという。しかも、チリとアルゼンチンは、2015年7月のサッカーのアメリカ選手権決勝戦が記憶に新しい様に、何かにつけて対立しやすい。

近い将来、「世界最南端の町」の座が奪われることにならないかと余計な心配を抱いてしまう、ウシュアイアへの訪問であった。

 

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憧れの煙の山-パタゴニアのフィッツ・ロイへのトレッキング記録

イグアスの滝について書いた前回の記事に続き、今回も番外編としてアルゼンチンで感動した場所について書いてみたい。

アルゼンチンの最南部に位置するパタゴニアは、フィッツ・ロイやセロ・トーレに代表される、見る者を魅了せずにはいられない名峰が並び、山好きの人間にとって永遠の憧れの場所だ。地球上で日本から最も遠い場所の一つでありながら、山野井泰史氏による1990年のフィッツ・ロイ冬季単独初登など、日本人のクライマーの実績も多い。今回、アルゼンチンを旅行するにあたり、遂に僕にとっても憧れのパタゴニア一の雄峰、フィッツ・ロイをトレッキングすることができたので、その魅力を紹介してみたい。

フィッツ・ロイへのトレッキングは、麓の町、エル・チャルテンから始まる。このエル・チャルテンにしても、山道具屋や、登山者用のホステル、雰囲気のいいバーが並び、山好きにとっては天国の様な場所だ。IMG_0974

8時30分、フィッツ・ロイ山の登山道入り口に到着。今回は日帰りのトレッキングということで、12.5Km程先にあるフィッツ・ロイ直下の湖、ロス・トレス湖を目指す。IMG_0975

登山口から20分程登りが続いた後、ラス・ブエルタス川を見渡す展望台に到着。ここからは、ラス・ブエルタス川に沿って、高低差の少ないなだらかな道が続く。IMG_0978

フィッツ・ロイは先住民からチャルテンと呼ばれ、彼らの言葉で「煙を吐く山」という意味だ。パタゴニアの激しい気流がフィッツロイの頂に激突して煙の様な大気の凝結が起こり、その頂はほとんどの時間、その名の通り、煙の様な雲に覆われている。今回も、途中のカプリ湖を過ぎた辺りから、フィッツ・ロイの頂が見えてきたが、山頂付近は雲に覆われており、不安が募る。

しかし、登山口から二時間半程歩き、ポインセノットのキャンプ地の手前で、遂に急峻な山頂がその姿を現した。遠目から見てもその存在感は凄まじく、もっと近づいてみたいという欲求に駆られる。IMG_1003

11時にポインセノットのキャンプ地を過ぎ、20分程でもう一つのリオ・ブランコのキャンプ地を過ぎた後は、それまでのなだらかな道から一変し、1時間半程の急登が続く。標高は1,000m程とは言え流石に息が切れてくるが、湖で待っているはずの絶景を信じて、一歩一歩歩みを進める。

そして、12時IMG_101640分、ロス・トレス湖に到着した僕は目の前の光景に立ちすくむ。

氷河から解けたばかりの水は、濃い目のシアン色をして静かに広がるロス・トレス湖をなしており、その背後にフィッツ・ロイが圧倒的な存在感でそそり立つ。その光景は、あまりに現実離れしていて、もし「天上の世界」というものが本当にあるとしたら、それはこういった場所だろうと思わせる様な、圧倒的な神々しさを感じさせる。IMG_1017

フィッツ・ロイはもちろん何も語らないが、氷河の衣を纏い、堂々とそびえ立つその姿は、あたかも人間のちっぽけな悩みを全て理解しているかの様に超然としている。二時間くらいそこで山を眺めて過ごした後に僕は、次はその山頂に立つために戻ってくる、との決意を心に秘め、その場を後にした。14:30頃にロス・トレス湖を出発した後、帰りは同じ道を下って、18時40分に無事に登山道に到着。

海外の山もいくつか登ったが、山としての存在感において、フィッツ・ロイは特別だと思う。パタゴニアは地球上で日本から最も遠い土地の一つではあるが、特に山好きな方は、ぜひ機会を見つけて訪れて頂きたい。

ご参考までに下記は簡単な登山記録。

フィッツロイ直下のロス・トレス湖までのトレッキング(合計10時間)

2015年12月29日

8:30 登山道出発

11:00 ポインセノットのキャンプ地着

12:40 ロス・トレス湖着

14:30 ロス・トレス湖発

16:10 ポインセノットのキャンプ地着

18:40 登山道着

日本での登山の感覚からすればありえないスケジュールに見えるが、南緯49度に位置するフィッツロイ周辺では12月末の時期は、22時くらいまで明るいことをご考慮頂きたい。また、今回僕は運が良かったが、悪天候が多い地域であり、確実にフィッツ・ロイの雄姿を拝むためには、もし都合が許せば、麓のエルチャルテンで数日宿泊することをお勧めしたい。

次は、パタゴニアの世界最南端の町、ウシュアイア編に続きます。

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夜に虹が見える場所-アルゼンチン・イグアスの滝 旅行記

今回から番外編として、旅行中のアルゼンチンについて書いてみたい。

南米経験が長い何人からの知人から、南米随一のおススメスポットとして、アルゼンチンのイグアスの滝を勧めて頂いていた。今回実際に訪問してみて、知人達に感謝するとともに、ここがいかに特別な場所かを実感した。世界最大の滝の一つとして、見る者を圧倒する滝の大迫力ももちろんながら、ここは夜に虹が見える場所でもあるのだ。

イグアスの滝の観光は、ユネスコの世界遺産でもある国立公園のゲートからスタートする。ゲートをくぐってしばらくSendero Verde(緑の道)という遊歩道を歩くと、最初の見所である上下ふたつの遊歩道にぶつかる。まず、Paseo Superior(滝の上の遊歩道)は、イグアス川の流域に沿って、東西に大きく広がった一連の滝を上側から眺めながら歩くことができる。IMG_0893

僕が訪問した時期は、前日にアルゼンチン北東部の一部で大規模な洪水が発生するなど、その日までの降水量が例年よりも多く、「濁流」と表現するのがふさわしいと思える様な水の勢いだった。IMG_0896

もう一つの遊歩道はCircuito Inferior(滝の下の回廊)と呼ばれ、滝の下部を眺めながら、森に囲まれた広範囲のエリアを歩くことができる。こちらは、滝の迫力もさることながら、滝が終わった後のイグアス川の轟々と流れる勢いにも引き込まれる。IMG_0901

また、この遊歩道にはそこらじゅうで動物たち、特にカラフルな蝶や、かわいらしいアカハナグマに頻繁に出会える。アカハナグマはとても人懐っこく、すぐ近くまで接近してくるので、人間の方が驚いてしまうほどだ。

IMG_0903

遊歩道を歩き終えた後は、無料の列車に乗って、イグアスの滝の最上部、観光のハイライトであるGarganta del Diablo(悪魔ののどぶえ)に向かう。電車を降り、イグアス川の上にかけられた橋を20分ほど進むと、それは現れる。滝の最大落差80mで、アルゼンチン側からブラジル側に流れ落ちる悪魔ののどぶえの姿は、壮大であるのを通り越して、畏怖すら感じさせる。IMG_0918

この滝はそれ自体が生き物であるかの様に、辺りに水しぶきと轟音を撒き散らしながら、刻一刻とその姿を変えていく。少し手を伸ばせば滝に触れられる様な距離まで近づくことができるが、もし滝に飲まれたら最後、決して生きては戻れないだろう。見る者にその圧倒的な荒々しさを感じさせる悪魔ののどぶえだが、心が休まるのが、あまりに激しく落ちる滝があげる水しぶきで、滝の中ほどに虹が現れることだ。IMG_0923

そして、この滝のもう一つの姿を発見できるのは、満月の夜である。ここイグアスの滝では、満月の前後5日間限定で、Paseo de Luna Llena(フルムーン・ウォーク)というウォーキングツアーが開催されており、散策の前か後にアルゼンチン料理のビュッフェを挟んで、閉園後の悪魔ののどぶえまで戻ってくることができる。

昼間と同様に電車を降り、悪魔ののどぶえまで歩いて向かう道は、満月の淡い光に照らされているだけで、濁流の赤茶けた色も見えず、落ち着いた雰囲気だ。たどり着いた悪魔ののどぶえも、昼間の威圧感が嘘の様に、水流が絹のうねりの様に白く怪しく照らされ、幻想的なたたずまいを見せている。そして、余りに強い勢いのため、湧き上がった水しぶきは満月の光を十分に集め、真夜中であるにも関わらず、虹を作り出しているのだ。

大変申し訳なくも、夜の虹は流石に手元のカメラには収められなかった。撮影した写真をできるだけ明るく加工したのがこれである。FullSizeRender

世界広しと言えども、夜に虹が見える場所はそうないに違いない。昼間の悪魔ののどぶえの圧倒的な迫力、そして、夜の悪魔ののどぶえにかかる虹の神秘的な美しさはぜひご自分の目で確かめて頂きたい。

次は、パタゴニアのフィッツロイ・トレッキング編です。

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日本未進出のテキサス州のこだわりハンバーガー① Fuddruckers

日本でハンバーガーと言えばかつては、お手軽なファーストフードというイメージが強かったが、最近ニューヨーク発のハンバーガー、シェイク・シャックが日本に上陸して、素材へのこだわりを武器に人気を広げているなど、多少高くても品質の高いハンバーガーへの需要が高まっているようだ。一方、ここアメリカ南部テキサス州には、ハンバーガーが大好きな地元の人々に支えられ、未だ日本には進出していないこだわりのハンバーガー店がいくつも存在する。今回から、不定期でそんなご当地ハンバーガーを紹介してみたい。

第一回は、いかにもテキサスらしく、個人的には最も印象深いFuddruckers(ファドラッカーズ)だ。IMG_0785

ファドラッカーズは1979年にテキサス州が誇る観光地サンアントニオで創業し、現在ではアメリカ南部を中心に、アメリカ全土にチェーン展開し、ヨーロッパや中南米、中東の一部にも進出している。お店のキャッチフレーズは、”World’s Greatest Hamburgers”(世界で最も凄いハンバーガー)だ。

ファドラッカーズの特徴は何と言ってもハンバーガーの大きさだ。店の入り口のすぐ横には、看板メニューであるWorld’s Greatest Hamburgers用の肉が1/3ポンド、1/2ポンド、2/3ポンドと三種類分並べられている。最も大きい2/3ポンドは日本の単位で約300グラムだ。ステーキハウスと同様に、注文の前に肉の具合が確認できるのと、肉の下にはビールが並べられているのが、いかにもテキサスらしい。IMG_0786

2/3ポンドのハンバーガーは、単品で約9ドル、そこにチーズ等のトッピングや、フライドポテト等のサイドメニュー、そして、ドリンクをセットにすれば、価格は税込みで15ドル以上になる。レタスやオニオン、ピクルス等の野菜は自分で好きなだけ乗せられるとは言え、ハンバーガーにしてはかなり高めだ。しかしその分、注文を受けてから焼き始める肉を中心に、素材や調理法には徹底的にこだわられており、食べた後の満足感はハンバーガーを食べたというより、ステーキ等の肉料理を堪能したという感覚に近い。IMG_0789

また、店内の雰囲気もファーストフード店というよりは、ちょっとしたレストランの様に落ち着いている。何故か今やテキサス州以外ではほとんど見かけない地元の石油会社、TEXACO(テキサコ)の古い型の給油機が店内に無造作に置いてあるのも、テキサスならではだ。IMG_0787

テキサスの人々はよく、”Everything is bigger in Texas(テキサスでは何でも他よりデカい)”という言葉を口にする。そこで、ハンバーガーも他よりデカくなるというわけだが、決してただデカいことだけを売りにしているわけではない。テキサスの人々がその言葉を口にする時、そこには自分たちの豪快なスタイルに対する強い自信の様なものも含まれていると思う。ファドラッカーズのハンバーガーが、World’s Biggest Hamburgersではなく、World’s Greatest Hamburgersという名前になっているのもそそうした自信の一つの表れではないだろうか。

小さな島国である日本に、デカくて、かつ、すごいハンバーガーが進出したら、日本人にどう受けられるのかを想像すると楽しみになってくる。

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テキサス流の巨大で多様な冬のイルミネーション

日本では各都市が冬のイルミネーションの美しさを競い合うシーズンが到来した。これまでここテキサス州ヒューストンではあまり有名なイルミネーションがなかったが、この冬、ヒューストンらしい、巨大かつ多様性に富んだイルミネーションが登場し、地元の人達を興奮の渦に包んでいるので紹介してみたい。

ヒューストンの主要環状高速道路であるSam Houston Toll Wayの北側を運転していると、それは突如として登場する。IMG_0795

Magical Winter Lightsと題されたこのイベントを訪れた者は、まずその巨大さに圧倒される。普段はヒューストン競馬場として使用されている場所を使っているだけあって、広大なスペースに巨大なイルミネーションが豪快に展示されている。IMG_0796

そして次に驚かされるのが、イルミネーションのテーマの多様性だ。ヒューストンの人種的民族的な多様性を象徴するかの様に、米州、ヨーロッパ、アジア、アフリカ等のエリアに分けられた会場内では、各エリアを代表する建物を模したイルミネーションが次々と登場する。ここでいくつか紹介してみよう。

まずはロシア・モスクワの聖ワシリイ大聖堂。IMG_0802

次は、中国。IMG_0805

細部は怪しいところもあるエジプト。IMG_0810

ラティーノの人達に人気だったメキシコのマヤ文明のピラミッド。IMG_0813

そしてもちろん、我らがヒューストン。IMG_0816

イベントの主催者であるYusi Anさんは、地元のオンラインメディアであるHouston Pressのインタビューに対して、このイベントにかける思いを語っている。

Anさんの家族はランタン祭りが盛んな中国四川省の出身で、過去5年間のアメリカでの生活を経て、ヒューストンの多様な人口構成と、冬でも比較的温暖な気候に出会い、世界中のランドマークをテーマにして中国のランタン祭りを再現しようと決意したという。世界のランドマークを再現したイベントは他にもあるだろうが、それぞれのランドマークに対して、それぞれの国・地域の出身の人々が自分達の文化を発見して、その美しさに感動できるのは、ヒューストンならではだ。

ただ、来年以降に期待したいことがあるとすれば、主催者の出身である中国のエリア等は完璧に作りこまれているが、一部の地域については、時間的に間に合わなかったのか、予算が足りなかったのか、少々適当になっているのが残念ではある。例えば南極のエリアでは、ボーリングのピンの様なペンギンが若干不気味だ。

IMG_0820

しかし、全体としては大満足なイルミネーションで、今回の時点で、地元の人達の心を鷲づかみにしていることは間違いない。来年以降、更に完成度を増して、全米レベルで有名なイベントに成長することを期待したい。

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